【巨人】選手自ら“考える野球”原監督の狙いは…平成最速紅白戦を担当記者が見た

スポーツ報知
4回無死二、三塁。逆転3ランの石川慎吾をタワーから見つめた原辰徳監督

◆巨人紅白戦 紅組(2軍)5―5白組(1軍)=7回制=(3日・サンマリン宮崎)

 平成最速となる3日に行われた紅白戦。そこに仕掛けられた原辰徳監督(60)の狙いを、巨人担当キャップの西村茂展記者が「見た」。

 昨秋キャンプから原監督は、個々に自主性を与え、選手自らが“考える野球”をチームに落とし込んでいる。今年初の実戦でも、そんな指揮官の狙いが随所にうかがえた。

 まず真っ先に目に付いたのは、登板した投手自らサインを出していたこと。1軍先発の田口は「自分はこういう投手なんだという意思表示になる」と説明した。捕手任せにせず、投手が投球を組み立てる。そこには『自分の持ち味はここです』『このケースではこういう球を投げたい』と投手の“自己主張”を確認したい狙いがあったのだろう。それは捕手にとっても、投手の特徴把握につながるものだ。

 走塁面の意識改革も進行している。両軍合わせて8度、二盗を試みた。全て自己判断、いわゆる“グリーンライト”。あまりに見え見えのケースもあって成功は4度だったが、仮に刺されても鈴木外野守備走塁コーチはハイタッチで迎えた。今はまだ失敗していい時期。盗塁で最も大事なスタートを切る勇気を植え付けているようだった。

 キャンプ3日目での紅白戦に向け、若手がオフの間にしっかりとコンディションをつくってきた意味も小さくない。指揮官も「気持ちも、技術もいろんなものが見えた」と高く評価。ただの紅白戦、にとどまらない意義があった。

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