【巨人】山口鉄の後継ぎ現る!大江2回完全「結果を残さないといけない」

スポーツ報知
5回から1軍の3番手として登板し、2回を無失点に抑えた大江

◆巨人紅白戦 紅組(2軍)5―5白組(1軍)=7回制=(3日・サンマリン宮崎)

 キャンプ1軍スタートの大江竜聖投手(20)が3日、2軍との紅白戦(サンマリン)に3番手で登板し、2回を無安打無失点に抑えた。巨人キャンプでは平成最速となる、キャンプ3日目での実戦。好投で好スタートを切り「課題の直球で押していけました」と喜んだ。今季の中継ぎ入りが期待される、高卒3年目左腕。宮本投手コーチも「監督の評価は上がっている」とうなずいた。

 安堵(あんど)の笑みの中に、自信がにじんでいた。6つ目のアウトを奪うと、大江は小さくガッツポーズした。「課題としていた直球でしっかり押していけました。次につながる。ファウルでカウントも取れました」。4点ビハインドの5回から、1軍の3番手として登板。石川、大城、宇佐見ら1軍経験もあるメンバーを相手に、直球とチェンジアップ中心で2回をパーフェクトに抑えた。

 キャンプ3日目での実戦。結果や内容次第では1、2軍メンバーの入れ替えも予告されていただけに、少なからず重圧もあっただろう。それでも、イニング間の投球練習中、試合を見学していた菅野から「緊張してるか?」と声をかけられ、「はいっ!」とうれしそうに返す余裕があった。下克上を狙う2軍の打者陣をねじ伏せ、高卒3年目左腕は「結果を残さないといけないと思っていたし、(調整を)ここに合わせていました」と胸を張った。

 大江の前、1軍の2番手で登板した高田は同期入団の同い年で、左右の両輪として将来を期待されている。大江の闘争心をかき立ててくれる、よきライバルだ。「負けたくない気持ちもありましたが、同じチームなので応援していました」。2回5失点の高田とは明暗が分かれたが、まだ1試合終えただけ。宮本投手コーチは「ベースをかする球を投げていた。監督の評価は間違いなく上がっている」と絶妙の制球をたたえつつ、一方では「彼は1軍の実績がないわけですから。いかに続けるか。好調を維持するか」と求めた。

 本人も反省を忘れなかった。「1球クイックで投げたんですが、クイックの精度が課題。それと、追い込んだ後のボール球が目立ちました」。先発、中継ぎの両方で勝負できる能力を持っているが、現状では、リリーフ陣に割って入るところから突破口をこじ開けたほうが1軍定着への近道だ。16年まで9年連続60試合以上に登板した、鉄人・山口鉄也氏が昨年限りで引退。17、18年は戸根、高木、池田や中川らが奮闘したが定着することは出来ていない。「(首脳陣に)言われたところでいけるように。(先発、中継ぎに)こだわっていい立場じゃないです」と1軍生き残りに、ポスト山口鉄に、どこまでも貪欲だった。(尾形 圭亮)

 ◆大江 竜聖(おおえ・りゅうせい)アラカルト

 ▼生まれとサイズ 1999年1月15日、神奈川県座間市生まれ。20歳。173センチ、82キロ。左投左打。

 ▼球歴 6歳から野球を始める。二松学舎大付高では1年夏と2年春に甲子園出場。16年ドラフト6位で巨人に入団。

 ▼負けず嫌い 小学校低学年時には姉や兄に負けじと、400グラムのステーキを歯を食いしばりながら食べきった。

 ▼左腕ハイブリッド 昨オフは憧れの杉内と共に自主トレを行い、今オフは内海と共に自主トレ。偉大な左腕エースから投球のノウハウを教わった。

 ▼感動した物 内海との奄美大島自主トレ中に出会った名物・鶏飯(けいはん)に感激。「めっちゃおいしかったです。感動しました」

 ◆巨人の過去の中継ぎ左腕

 昨季限りで引退した山口鉄也は、主にセットアッパーとして前人未到の9年連続60登板を達成し、2度のリーグ3連覇に貢献した。岡島秀樹は切れ味鋭いカーブを武器に00年代前半のブルペンを支え、その後はメジャーでも活躍。日本ハムからFA入りした河野博文は、移籍1年目の96年に、初代のセ最優秀中継ぎ投手に輝いた。

巨人

×