【巨人】キューバの野球事情…道路に大穴、晩飯のためガチ釣り、驚きの連続だった

スポーツ報知
ハバナ市内のグラウンドで練習するキューバ代表

 キューバでは、野球を愛する人々が多い。OBで野球評論家の高橋尚成氏(43)がキューバの野球を視察し「素晴らしい経験をさせてもらった。日本がどれだけ恵まれた環境で野球ができているのかもよく分かった」としみじみと語っているが、2002年11月の第15回インターコンチネンタル杯取材のためキューバを訪れた高田健介野球デスクが、当時の街の様子を紹介しながら尚成氏が語った今とを比較する。

 入社2年目のオフに、キューバを訪れる機会を得た。心配とともに期待もあったが、驚くことばかりでこれは尚成氏が感じたものと同じだった。

 ハバナの中心街は近代的な建物がいくつか並んでいたが、少し奥に入ると、古めかしいアパートばかりだった。道路には人が数人入ってしまうような大きな穴も空いていた。ただ、子供たちは元気で、至るところで棒をバット代わりにして野球を楽しんでいた。

 海岸に近づくと、荒波が立つ海に向かって釣り糸を垂らす人々も多かった。昼過ぎの光景としてはちょっと異質だった。現地の人間に聞くと「趣味で釣りをしている人もいるけど、今日の晩飯を手にしようとしている人間も少なくはないよ」と笑った。日本との違いにここでも驚いた。

 尚成氏が語ったのと違ったのは、インターネット環境だ。私は現地でも有名なホテルに宿泊したが、部屋の電話回線が使えず、原稿の送信はできなかった。500円で1時間のWi―Fi環境なんてなおのことだ。

 キューバ代表が登場する試合になると、ファンの熱狂ぶりはすごかった。日本代表は圧倒されていたのを思い出す。野球がとにかく大好きなんだ―。滞在した約2週間で何人ものキューバ人からその言葉を聞いたのを忘れることはできない。

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