【巨人】メルセデス、大和魂!左膝に打球直撃も11人連続斬り「いいアピール」

スポーツ報知
シート打撃に登板したメルセデスの左膝付近を重信の打球が直撃(カメラ・泉 貫太)

 巨人のクリストファー・クリソストモ・メルセデス投手(24)が7日、シート打撃に初登板し、打者12人をわずか1安打に封じた。先頭打者の打球が左膝に当たるアクシデントに見舞われたが、後続は全員ピシャリ。宮本投手コーチは「大和魂を感じた」と絶賛した。外国人枠争い、先発ローテ枠争いと二重の競争を勝ち抜かなければならないが、本人は「いいアピールができた」と自信を見せた。

 ただただ、圧巻だった。グラウンド上の誰もが、メルセデスの投球に息をのんだ。今キャンプ初のシート打撃登板。亀井を外角スライダーで見逃し三振に仕留めると、新助っ人のビヤヌエバはチェンジアップで空振り三振。「左打者の内角に投げきることができた。制球、テンポも良かった。自分の望む投球ができて満足」。カウント1ストライクから始まる投手有利の状況で、打者陣も若手が中心のラインアップではあったが、5つの三振を奪い11者連続でシャットアウトした。

 アクシデントなど関係なかった。登板直後、先頭打者・重信の打球が左膝付近を直撃。緊急降板となり一度はベンチに下がるも、患部の状態を確認し、わずか10分ほどでマウンドに戻った。結局、許したのはこの強襲安打1本だけだった。本人は「トレーナーに診てもらって、骨じゃないところだった。自分で大丈夫だと思った」と涼しい表情だったが、宮本投手コーチは「当たっても『行く!』っていう気持ちね。大和魂を感じるよ」と感激。外国人枠争いについても「外国人先発の評価は高い。野手には申し訳ないけど、1席はいただきますよ」と続けた。

 ドミニカ共和国に帰国していたオフは、コンディショニングの専門家の指導を受けて肉体改造に着手した。砂浜の走り込みなどで下半身を鍛え直し、体重は昨季終了時の102キロから2キロ増の104キロに。「球速アップというより持久力が目的。長いイニングを投げきれるように。一年間戦い抜く意味でも、もっと力をつけていかないといけない」。この日のシート打撃でバッテリーを組んだ小林は「すごかったです。球の力が強くなっていたし、テンポも良かった」と進化を証言した。

 外国人枠やローテ枠には限りがあるが、有力な選手の台頭はうれしい悩みだろう。原監督は「実戦的な投手だね。テンポがいい。新聞記者の人なんて、『早く試合が終わるからいいな』なんて思ってるんじゃない? 我々は、抑えてくれりゃいいけど」とご機嫌だった。昨季は5勝4敗、防御率2・05と健闘したが、「目標は10勝以上」とメルセデス。次回登板は11日の紅白戦となる見通しだ。(尾形 圭亮)

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