【巨人】原辰徳監督「まだまだ」競え!沖縄行き36人を決定

スポーツ報知
トークショーを終えた原監督は、大勢のファンにタッチで見送られながら引き揚げる(カメラ・生澤 英里香)

 巨人が11日、春季宮崎キャンプを打ち上げた。原辰徳監督(60)は総括会見で宮崎での収穫を問われたが、評価を先送りにしてサバイバルの継続を宣言。13日からは沖縄へと場所を移し、2次キャンプに突入するが、紅白戦などでアピールに成功した立岡ら5選手が昇格、代わって1軍から高田、重信が2軍合流となり、計36人のメンバーを連れていく。指揮官は「またシャッフルはあります」と今後の入れ替えも示唆。巨人担当キャップの西村茂展記者が「見た」で指揮官の思いに迫る。

 手締めの円陣で原監督は、充実の表情で手を打った。直後に行われた総括会見。宮崎での収穫を問われ、迷わず首を横に振った。「いや、まだまだそれは早いですね。全てはペナントレースのためだからね。まだまだ収穫する時期ではない」。今はまだ評価を下す時期ではない―。きっぱりとサバイバルの継続を宣言した。

 4年ぶりに帰ってきた春の宮崎。3日にチームの平成史上最速となる1軍VS2軍の紅白戦を開催。実戦では自立を促す意味で、投手にサインを出させたりと様々なアイデアを持ち込んだ。「捕手任せにしない、捕手のせいにしない。そこに投手の強さは出る」と充実の11日間を振り返った。

 チームは休養日を1日挟み、13日から沖縄へと場所を移して2次キャンプを開始する。野手では紅白戦3戦で14打数5安打とアピールした立岡に加え、大城、吉川大、投手は戸根と育成の坂本工と2軍から5人が逆転で切符をつかみ、計36人が沖縄へ行く。これまで、沖縄行きのメンバーを「開幕1軍に近い選手たち」と表現していた。だが、宮崎で若手の奮起を目の当たりにした指揮官の考えに、若干の変化が表れた。

 「例え(2軍に)下がったからと言って、どうということじゃない。我々にとって、選ぶというのは大事な作業になり、それはどうしようもない。現状、第2次キャンプはこのメンバーで行くということ。また、いろいろシャッフルはあります」

 残った選手をふるいにかけるだけでなく、はい上がるチャンスもある。13日から2軍キャンプに合流することになった重信、高田も与えられた課題をクリアして、“雪辱”の場を狙うはず。総括会見の中でも昨オフに左膝のクリーニング手術からコンディションを整えている上原、3日の紅白戦で豪快な3ランを放った石川や、この日の試合で一発を含む2長打の活躍を見せた北村の名を挙げ、期待をかけた。畠、中川、田原、宮国、若林だっている。多くの選手がもう一度見てみたい、と思わせてくれた。指揮官が宮崎で仕掛けた狙いは結実し、チームの「和」は確実に高まった。

 沖縄では16日のサムスン戦からオープン戦を含め対外試合を6試合予定。結果もハッキリと出る。「戦術的な部分ではゲームにおいての微調整。個という点では、ゲームにおいてどういう力を出してくれるかの観察はしていかなければいけない」。実力至上主義のもと、原監督はすでに、次なる審判へと思考を巡らせ始めた。(西村 茂展)

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