【巨人】丸、130メートル場外弾「飛ばせるスイングはイコール、いいスイング」

巨人の丸佳浩外野手(29)が14日、那覇キャンプ2日目のフリー打撃で特大場外弾を放った。左の打撃投手から、高さ約22メートルの防球ネットを越え、右中間後方の駐車場まで飛んでいく推定飛距離130メートル弾を披露した。また、アレックス・ゲレーロ外野手(32)は、ロングティーで屋外に停車してあった車に直撃する場外弾を3本放ち、周囲の度肝を抜いた。
ボールをたたき潰すような破壊音が鳴り響いてから数秒後。丸が右中間方向へ放った打球は、球場から消えた。周囲の誰もがあぜんとする中、球場スタッフが落下地点を探しにいくと、ボールは高さ約22メートルの防球ネットを越え、場外の駐車場で発見された。自身は「風ですね。あそこ(右翼付近)は飛ぶんですよ」と冷静だったが、推定飛距離130メートルの特大場外弾にナインやチームスタッフ、メディアは騒然となった。
それもそのはず。那覇キャンプで場外弾が生まれたのは、17年にギャレット・ジョーンズが球場外に駐車してあった報道陣の車を破壊する驚弾を放って以来、2年ぶりのこと。2か所設置されたケージの一塁側、左腕の打撃投手への42スイング目に生まれた一発に、丸は「飛ばせるスイングというのはイコール、いいスイングだと思っています。そこは引き続きやっていきたい」と手応えを口にした。
体が順応している証拠でもある。11日で宮崎キャンプを打ち上げ、12日は宮崎で休養日。13日の那覇キャンプ初日は宮崎からの移動練習だったこともあり「休み明けでちょっと体がフワフワしていた」と振り返る。
しかし、2日目のこの日は広角に鋭い打球を打ち返し、右翼ファウルゾーン場外への打球もあった。「ある程度方向を決めて、打球方向も一方通行にならずに、広角にというか、コースなりにという意識は持っていた」とテーマを持って打撃練習に臨んでいることを明かした。その姿勢に、原監督は「ほとんど変わらないスイングでやっている。チームにいい影響として、選手たちもマネをしている。生きたお手本になっている」と改めて称賛した。
すでに紅白戦に2試合出場しているが、16日のサムスン戦(那覇)からいよいよ対外試合もスタートする。「タイミングが合ってしっかり振れれば、誰でもいい打球が飛ばせると思う。そこが難しいところだと思うので、そこを詰めていくという感じですね」。背番号8の放つ輝きが、キャンプを過ごすたびに増している。(後藤 亮太)
◆巨人キャンプ場外弾列伝
▼松井秀喜 新人の93年、宮崎市営球場(現ひむかスタジアム)でのキャンプ2日目に57スイングで13本。150メートル弾を含む場外弾3本で度肝を抜いた。
▼清原和博 巨人在籍時の03年2月20日に宮崎市営球場でのフリー打撃で、160メートルの場外弾。走っていた軽トラックのフロントガラスを破壊。
▼岡本和真 新人の15年、宮崎・ひむかスタジアムでのキャンプ2日目に58スイング中、6本のサク越えを披露。左翼の防球ネットを越える推定130メートルの場外弾もあった。