【巨人】大江、回またぎ5人斬り満点リリーフ!原監督「先発でもいいぐらい」

スポーツ報知
9回2死、細川の投ゴロを捕球する大江(カメラ・池内 雅彦)

◆練習試合 巨人1―3DeNA(17日・那覇)

 心臓の鼓動が高鳴った。2点を追う8回1死。桜井に代わり大江の名前が呼ばれた。「試合自体が初めてだったので緊張しました」。1ボール2ストライク、左打者の宮本をスライダーで空振り三振。圧巻の投球ショーの始まりだ。

 緊張を感じさせない、堂々たる姿。テンポ良く、直球と変化球のキレも抜群で、1回2/3で打者5人に対し20球、3三振を奪った。「直球はいい感じと思うけど変化球は全然…」と謙遜したが、原監督は「存在感があってどんな球でもカウントが取れる。先発で使うのもいいだろうなというぐらい可能性を秘めている」と舌を巻いた。

 これで春季キャンプでの実戦は3戦計5回2/3を無安打無失点。好調の理由を大江は「右打者の内角への球がシュートしていたけど、今年はあまりしなくなった」と分析する。その要因は今オフ自主トレを共に行った西武・内海から「キャッチボールのときからコントロールを意識しろ」とアドバイスされたことがきっかけだった。

 以前は、キャッチボールのときに横にそれないことだけを意識していたが、前に落としたり、受ける相手の後ろを越えないよう「縦のズレ」にも注意を払うようになった。「シュート回転は以前よりも減ってきたと思います。内海さんとしてきたことが実っている」と、オフの努力を結果につなげている。

 プロ3年目で1軍登板は0。将来の先発を見越し、今年はまずリリーフで経験を積む。1軍での実績がないため、指揮官は「“純白無垢(むく)”だから。今はきちんとそういう経験させておくことが大事」と実戦では回またぎや回の途中からの登板を経験。「(イニングを投げ終わり)1回気持ちを落ち着かせたら(次の回は)難しい」と話すが、最高のパフォーマンスを見せている。

 宮本投手総合コーチは勝利の方程式2パターン化を掲げる。リリーフ陣はベテランの上原、沢村、吉川光、クックの他に鍬原、桜井、戸根、育成・坂本工ら若手も台頭してきた。「立候補がどんどん出馬してきたなと。3月の中旬までには形を作りたい」と宮本コーチはうれしい悲鳴を上げた。

 大江も方程式入りが期待される一人だ。「課題はたくさんある。次の試合も継続できるようにしたい」。20歳の新星左腕の躍動は続く。(玉寄 穂波)

 ◆大江 竜聖(おおえ・りゅうせい)

 ▼生まれとサイズ 1999年1月15日、神奈川県座間市生まれ。20歳。173センチ、82キロ。左投左打。

 ▼球歴 6歳から野球を始める。二松学舎大付高では1年夏と2年春に甲子園出場。16年ドラフト6位で巨人に入団。MAX149キロ。持ち球は直球、カーブ、スライダー、フォーク、チェンジアップ。

 ▼負けず嫌い 小学校低学年時には姉や兄に負けじと、400グラムのステーキを歯を食いしばりながら食べきった。

 ▼マイブーム ユーチューブで動画を見ること。ギャグアニメなどが好きで「銀魂(ぎんたま)」をよく見る。

 ▼感動した物 内海との奄美大島自主トレ中に出会った名物・鶏飯(けいはん)に「めっちゃおいしかった。感動しました」。

 ▼憧れの投手 小学生のときから杉内ファーム投手コーチに憧れる。高校時代に杉内氏の著書は全て読み込んだ。プロ入り直後はスライダーの投げ方を教わった。

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