【巨人】川相氏、中島と対談…ともに高校は投手プロで内野手に転向、移籍も経験 

スポーツ報知
対談した川相氏(左)とともに守備の構えを見せる中島(カメラ・泉 貫太)

 巨人の新戦力とスポーツ報知評論家の対談企画、第3回は、巨人前2軍監督の川相昌弘氏(54)と、中島宏之内野手(36)=オリックス=だ。これまであまり接点のなかった2人だが、高校時代は投手で、プロ入りしてすぐ内野手に転向。ショートを守り、移籍も経験するなど共通項は多く、対談は大いに盛り上がった。(取材・構成=清水豊、玉寄穂波)

 川相(以下、川)「04年に僕が巨人から中日に移籍した時の西武とのオープン戦。中島君が死球を受けて、そのまま投手に向かっていったことがあった。覚えてる?」

 中島(以下、中)「あまり覚えてないです(笑い)」

 川「生意気な選手、エエ根性している選手が出て来たなあと思ったよ」

 (中島選手から見た川相さんの印象は?)

 中「子どものころは巨人戦をよく放送していましたし、野球以外の番組でも巨人の選手の方はよく出ていました」

 川「バントのおじさんぐらいにしか思ってなかったでしょ(笑い)」

 川「今年はファーストを守る機会が増えるのかな。実際やってみてどう?」

 中「めちゃめちゃしんどいです。外野に抜けそうな打球にも、サードとかショートに飛んだ打球にも、全ての打球に反応して早く一塁ベースに入らないといけない」

 川「そうだね」

 中「思った以上に“動き”が多いです。あと、ちょっとでも(一塁走者の)スタートを遅らせようと思って(走者に)『走るの?』とか『オレ、けん制もらうわ』とか、ずっとしゃべっています。(仕事は)結構あると思います(笑い)」

 川「ファーストの守備力ってとても重要。チームプレーやカットプレーにもすごい関わってくる。ところで中島選手といえば、やっぱりバッティング。長打も打つけど、軽打で右方向にも打っているイメージがある。少々詰まっても反対方向に打てるのはいい特長だと思う」

 中「チャンスで大きいのを打てたら一番いいんですけど。逆方向(への打撃)を考えてることも多いです。困ったらライト前へ、と」

 川「そういう意識があればボールを長く見られる。トップの位置が深くて(投手から)背番号も見えるぐらいに構えている。それでもいろいろさばいていくから、関節がすごい柔らかいんだなって思って見てた。巨人に移籍した大変さはある?」

 中「グラウンドで練習に入ってしまえば大丈夫です。それまでは『あの人誰やろ?』とか、いろいろありましたが」

 川「そのチームのユニホームを着てグラウンドに立ってしまうと、意外と大丈夫なものだよね。あと、移籍して張り切りすぎて故障しないように。年齢も40歳が徐々に近づいてくるから、自分の体と相談しながらやってくれたらいいんじゃないかと思う」

 (中島は内外野手では亀井とともにチーム最年長)

 川「僕は中日に移籍したとき40歳。立浪君の後の守備固めでサードを守ったりしていた」

 中「年齢を重ねたら(練習など)どういうふうにされていましたか?」

 川「毎日少しずつ、やるべきことをやるように心掛けてた。量をたくさんやると結構ガクッとくる。中島君は技術はある。それを発揮するためにも、あまりやりすぎないように。あとはウェートコントロールをしっかり。体重が増えるとどうしても負担がかかる。俺でも最後のころは太りかけた(笑い)。そうならないようにね」

 中「ありがとうございます」

 ◆中島 宏之(なかじま・ひろゆき)1982年7月31日、兵庫県生まれ。36歳。伊丹北高から2000年ドラフト5位で西武入団。08、09年に最高出塁率、09年に最多安打を獲得。12年オフにFA宣言し、アスレチックス入団もメジャー出場なし。15年にオリックスに移籍。16年から登録名を「裕之」から「宏之」に。180センチ、90キロ。右投右打。年俸1億5000万円(金額は推定)。

 ◆川相 昌弘(かわい・まさひろ)1964年9月27日、岡山市生まれ。54歳。岡山南高から82年のドラフト4位で投手として巨人入団後、野手に転向して遊撃手として活躍。2004~06年は中日でプレー。通算533犠打は世界記録。ゴールデン・グラブ賞6度。引退後は中日のコーチ、2軍監督、巨人の2軍監督、1軍ヘッドコーチなどを歴任。

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