【巨人】ドラ1高橋優貴に“菅野ロード”次世代エースへ隠さず調整

スポーツ報知
キャンプ休日、宿舎のプールサイドのテラスでリラックスする高橋(カメラ・相川 和寛)

 巨人のドラフト1位、高橋優貴投手(22)に“菅野ロード”が用意されることが18日、分かった。20日の韓国・KIA戦(那覇)で対外試合デビューした後は、26日の中日戦(同)に登板することが判明。近年の巨人では、開幕前に多くのデータを相手に与えぬよう、新人投手は同一リーグとの対戦を避ける作戦が取られてきたが、ルーキー時代のエース右腕と同様に、正攻法で調整を進めていくことになる。

 開幕ローテ入りをかけたドラ1左腕の戦いが、いよいよ本格化する。宮本投手コーチは20日・KIA戦での高橋先発を明言し、「(左投手の)田口、今村、高橋の3人で、今のところは1つか2つの枠を争う感じ。内容、結果を求めて、成功して自信を持つことが大事」と続けた。プロ初実戦となった10日の紅白戦(宮崎)は、坂本勇や岡本らを抑えて3回2安打1失点。次のステップは、敵を相手にどういう投球を見せるかになる。

 そして、ベンチが期待しているのはローテ入りの、さらに先だ。KIA戦の後は、26日の中日との練習試合に登板することが明らかになった。同一リーグのチームに対しては球筋の特徴など手の内を隠しておく策もあり、近年の巨人では、先発候補の新人はパ・リーグチームとの試合に登板させていた。だが、ルーキー時代の菅野は違った。

 当時の首脳陣の「隠したってシーズンで当たるし、そう変わらない」という判断のもと、新人の菅野を開幕前からセ・リーグチームにぶつけていた。研究されても抑えるのが本当の実力、ということだろう。2013年、オープン戦で6回無失点に抑えた広島と開幕2戦目で再戦し、白星こそつかなかったものの9三振を奪って7回1失点。シーズン13勝6敗、防御率3・12の好スタートを切り、今では球界のエースへと上り詰めた。

 高橋も、その“菅野ロード”を歩むことが期待される。那覇2次キャンプが始まってからは「試合ではセットで投げる方が多くなる」と、ブルペンでは実戦を想定した訓練を増やすなどギアを上げている。16日のサムスン戦、17日のDeNA戦では、練習を終えてから自主的にベンチ入りし、宮本コーチの横に陣取って勉強していた。対外試合デビューに向けて、準備は整いつつあるようだ。次世代エースへの挑戦が始まる。(尾形 圭亮)

 ◆近年のドラ1投手の対外試合初戦メモ

 ▼菅野(12年ドラフト1位)13年2月24日、楽天とのオープン戦(那覇)に先発し、3回42球を投げて2安打無失点。1年間“浪人生活”を送ったため、対外試合は大学4年の最後の公式戦以来、実に480日ぶりとなったが、ブランクを感じさせない完璧な投球を披露した。

 ▼桜井(15年ドラフト1位)16年2月23日、韓国・KIAとの練習試合(那覇)に先発し、3回2安打1失点4奪三振と好投。打者12人全員に初球ストライクから入り、最速は143キロをマークした。

 ▼鍬原(17年ドラフト1位)18年3月25日、青学大との交流戦(青学大グラウンド)で2回を1安打無失点2奪三振。最速149キロをたたき出した。新人合同自主トレ初日から上半身のコンディション不良で別メニュー調整を続けて後れを取っていたが、回復を猛アピールした。

巨人

×