【巨人】石川慎吾ギラリ「開幕1軍じゃなくて開幕スタメンを本気で狙ってる」

スポーツ報知
打撃練習をする石川慎吾

 巨人担当1年目の河原崎功治記者が取材した、1軍の座を狙う2軍選手たちのキャンプでの奮闘を紹介する。3日の紅白戦では1軍の若手主体相手に5―5と、あと一歩で勝利というところまで追いつめ、立岡、大城ら4人が沖縄行きをつかんだ。宮崎に残った選手たちは最後のアピールの場となるオープン戦へ向け、黙々と練習に励んでいる。闘争本能をむき出しにし、1軍切符をつかもうと汗を流す選手たちの「今」に迫った。

 いてつく寒さの宮崎で、各選手が1軍への思いを口にした。

 石川「開幕1軍じゃなくて開幕スタメンを本気で狙ってるんで。プロは1軍で結果出してこそなんで」

 高田「まだ時間はある。オープン戦で変わったと思ってもらえるように毎日必死にやっていくだけ」

 宇佐見「炭谷さんが入ってきて(捕手の競争が)厳しくなったけど、勝たないといけない。炭谷さん、小林さんはどちらかというと守備が売り。自分は打撃で、なんとか3番手に食い込みたい」

 田島「周りの選手に勝たないといけない。他の選手に学ぶというより、追い越さないといけないっていう気持ちの方が強いです。(同じ育成で沖縄行きをつかんだ)坂本工と同じ舞台へ行きたい」

 立場や年齢、野球歴は関係ない。誰もがアピールを狙い、必死に鍛錬を重ねている。

 今年の2軍スローガンは「果敢 ~目標に向かって突き進む~」。無論、この「目標」とは1軍を指す。高田2軍監督は「チームプレーも大事だと思うけど、まず根本的に個の力。打者であれば結果は別にしてしっかりスイングできるか。投手だったら腕を振って投げられるか。走塁だったら一つでも先の塁に進む意欲があるかどうか」と話す。個の力を伸ばすため、全体練習前の野手のアーリーワークでは各分野のコーチ陣がマンツーマンで指導を行う。ローテーションが組まれており、日替わりで1時間前後の密着指導が行われている。個々の苦手な部分、課題にフォーカスするため指導内容は選手によって異なる。

 内野手はゴロ捕球やノックを基本に、捕球から送球までの体の動かし方や重心の位置などを細かくチェック。動画も撮影し、確認することで客観的に自分を見つめ直している。指導する片岡ファーム内野守備走塁コーチも時折、練習に加わり視覚からも学んでもらおうと工夫を凝らす。

 投手は連日のように、ブルペンで納得がいくまで投球。思った球がいかなければ声を荒らげ、何度もグラブを体に叩きつけ、なおがむしゃらに腕を振り続ける。宮国は「早く1軍に上がりたい思いは強い。残り少ないけど時間はある。焦らず、でもゆっくりしすぎないように」と開幕へ照準を定める。

 だが、上ばかりを見ることはできない。13日からは沖縄で1次キャンプを張っていた3軍が宮崎入り。初日には異例となる合同練習を行った。高田2軍監督は「下からも突き上げが来るわけだし、足をすくわれたら落ちる。いい意味での危機感、緊張感を持った中でやらないと」と競争意識を促す。

 16日には2軍VS3軍の紅白戦を行い、2軍が5―1で圧勝(5回までの特別ルール)。だが、適時三塁打を含む2安打2打点を記録した2軍の、育成・笠井は「自分は結果を出さなければいけない立場。いつ3軍に落とされてもおかしくない」と危機感を募らせる。

 追う立場でもあり、追われる立場でもある2軍。“下克上”か“都落ち”か―。闘争本能をむき出しにし、少ないチャンスをつかみ取る。

 ◆ある日の2軍の1日スケジュール

 ▼6時30分 散歩

 ▼8時 早出練習組ホテル出発

 ▼8時15分 早出練習(野手・マシン、ティー打撃、ゴロ捕球など。投手・体幹、チューブトレ、スティックトレなど)

 ▼9時45分 ミーティング、全体練習開始

 ▼10時40分 キャッチボール

 ▼11時05分 野手・守備練習(バントシフト)。投手・キャッチボール、ハードルトレなど

 ▼11時30分 野手・監督のサイン(バント、打てなど)に従う打撃練習。投手・ブルペン投球

 ▼12時20分 ランチ

 ▼13時10分 野手・フリー打撃。投手・ティー打撃、ランニングなど

 ▼14時35分 野手・ロングティー

 ▼16時 ウェートトレーニング、個別練習

 ▼17時20分 練習終了

巨人

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