【巨人】“岩隈塾”が開講、日米通算１７０勝の経験　若手に惜しみなくアドバイス

　巨人・岩隈久志投手（３７）が１９日、那覇キャンプのブルペンで若手投手を対象に“岩隈塾”を開講した。水野投手コーチとともに「５割の力」で投げる練習をしていた若手リリーフ陣の桜井、鍬原、大江、坂本工らに熱視線。惜しみなくアドバイスを送った。

　岩隈の視線がヤングＧに注がれた。ランニングメニューが終わり、個別練習で今キャンプ３度目のブルペン入り。中腰の捕手を相手に３５球を投じた。「肘の高さが上がってきた感じがする」と確かな手応えを感じた直後。トンボをかけながら、隣の若手たちの投球をじっと見つめた。

　この日は水野投手コーチが、１軍リリーフ経験の少ない桜井、鍬原、大江、坂本工をブルペンに招集。「５割の力」で直球、カットボール、スライダーを投げるよう指導した。力任せの投球に頼ってしまうとシーズン中の連投が難しくなる。ゆったりとしたフォームで投球すれば、体全体で投げることができ、全力で投げた時には気づかない、体のバランスが分かるという。

　岩隈は全力で投げる若手たちに「早い。まだ早いよ」と声かけを始めた。鍬原には「体重移動がうまくできれば、力を入れずに強い球がいくよ」と言い、カットボールの握り方もアドバイス。大江には「力ではなく、（体の）バランスで投げることを意識した方がいい」と助言するなど“岩隈塾”は３０分以上に及んだ。

　最後は投手コーチらとともに円になって、４投手へメッセージを送った。「今までの投球を見て、疲れるだろうなと思っていた。力まずに下半身を使って投げた方が肘、肩に負担がかからない。やっていることをしっかりやれば、自分のモノになると思う」。岩隈先生のそんな“贈る言葉”に、若手投手の目は輝いていた。

　今季新加入した日米通算１７０勝右腕には、若手へ奥義を伝授することも期待される。「みんな一生懸命やっているので」と岩隈。確かな経験に裏打ちされた教えは、Ｇ投の底上げにつながる。（玉寄　穂波）

　◆近年のプロ野球キャンプで開講された「塾」

　▼黒田塾　１６年の広島・日南キャンプでは日本球界復帰２年目の黒田が大瀬良を指導。フォームをチェックし、下半身の使い方について助言を送った。

　▼ゴジラ塾　昨年の巨人・宮崎キャンプを訪れた松井秀喜氏が岡本ら若手打者を熱血指導。ブレイクのきっかけを作った。

　▼尚広塾　今年の巨人・宮崎キャンプでは鈴木外野守備走塁コーチが若手の俊足選手を呼び、風船やメディシンボールなどのアイテムを取り入れ、独特の走塁鍛錬法を指導した。