【巨人】岡本、侍4番へ名乗り 3安打4打点に稲葉監督「チャンスで打てるところがいい」

スポーツ報知
7回無死満塁、岡本が左翼線に適時二塁打を放つ(カメラ・安藤 篤志)

◆練習試合 KIA5―7巨人(20日・那覇)

 巨人の岡本和真内野手(22)が20日、韓国・KIAとの練習試合(那覇)に「4番・DH」で出場し2打席連続を含む3打席で適時打を放つなど、5打数3安打4打点と大暴れした。

 この試合前まで、3試合で11打数無安打と苦しんでいたが、原監督の助言を生かし、復活。視察に訪れた稲葉監督の前で侍の「4番」に結果で“立候補”した。稲葉監督も「チャンスでしっかり打てるところが、今年も状態が非常にいいと感じる」と絶賛した。

 ボテボテのゴロが三塁へ転がると、岡本は100キロを超える巨体を揺らしながら腕を振り、全力疾走で一塁ベースを駆け抜けた。「引っ掛け気味だった。形はどうあれ、ヒットはヒット」。相手三塁手の悪送球で、一時は「E」ランプがともったが後に、安打へと訂正された。初回2死三塁の第1打席で先制適時打。11日の紅白戦から、この打席前まで、実戦3試合では11打数無安打と苦しんでいただけに、安堵(あんど)感は大きかった。

 勢いそのままに、第3打席の5回1死三塁では三遊間を破る勝ち越しの適時打。続く第4打席の7回無死満塁では、三塁線ギリギリを破り左翼線へ2点適時二塁打。2打席連続タイムリーで猛打賞をマークし「チャンスで打つのは大事」。3つの安打全てが決して会心の当たりとは言えないが、しっかりとスイングができているからこそ、ヒットゾーンへ飛ばす勝負強さを発揮できているのだろう。

 原監督の助言が実戦で生きた。前日(19日)のフリー打撃練習中に指揮官から身ぶり手ぶりで打撃指導を受けた。ダウン、アッパーなどスイングの形が中途半端になっていることを指摘され「悪いと思ったら、しゃくり上げるくらいでいけ」と助言を受けた。その言葉を胸に打席では「中途半端なスイングはよくない。自分の中ではすぐにできているとは思っていないが前の試合に比べて感じがよかった」と状況に応じた迷いのないスイングを試みた。

 この日は、侍ジャパンの稲葉監督が視察に訪れた。3月9、10日に行われる強化試合・メキシコ戦(京セラD)のメンバーに選出されている岡本。稲葉監督は侍の4番有力候補に、「チャンスでしっかり打てるところが、今年も状態が非常にいいと感じる。今年はもっと求められているものが大きいと思うし、プレッシャーもあると思うが、その中でどれだけ成長できるのか非常に楽しみにしたい」と期待を寄せる。原監督も「いつ呼ばれてもいい状態で『さあ行ってこい、さあ頑張ってこい』という形はつくっておきたい。日本野球人の憧れであり誇り。そこでプレーする気持ちは大事だと思う」と背中を押す。本人は「(稲葉監督が)来ていたのは知らなかった。何も意識せず、一打席一打席大事にやっていただけです」と自然体を強調した。

 昨秋の日米野球では侍の4番も経験。台湾との壮行試合から14打席無安打の苦しみも味わった。「なかなかできる体験ではない。しっかり打てるように頑張ります」と岡本。巨人から侍へ。球界NO1の4番を目指していく。(小林 圭太)

 ◆昨秋の日米野球の岡本 プロ入り後、初めて侍ジャパンに招集されたが、台湾との壮行試合から15打席目まで安打が出なかった。MLB選抜との日米野球第3戦に「8番・一塁」で出場すると壮行試合から含めて計15打席目で待望の侍ジャパン初安打。第5戦では「5番・一塁」で出場し初アーチを放ち、全米相手では最年少タイの一発となった。最終戦となった第6戦では08年秋の「侍ジャパン」発足以降では最年少となる22歳4か月で「4番」を務め、4打数1安打。全米相手の試合には計5試合出場し、19打数4安打、打率2割1分1厘、1本塁打、1打点だった。

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