【巨人】原監督、若手2対2入れ替え 競争1次リミット「3・14」に設定

スポーツ報知
若手選手に競争をさせ、刺激を与える原監督

 巨人の原辰徳監督(60)が21日、若手野手2人の1、2軍入れ替えを決断した。和田恋外野手(23)と松原聖弥外野手(24)が1軍那覇キャンプを離れ、宮崎の2軍へ。2軍から北村拓己内野手(23)と石川慎吾外野手(25)が昇格する。

 「いかに強いチームを作るか」と厳しい目で見極める指揮官。開幕1軍メンバーを絞り込む時期として、オープン戦の長期遠征が終わる3月14日のソフトバンク戦(ヤフオクD)を第1次のリミットに設定した。

 実力至上主義を掲げる原監督が、選手の入れ替えを敢行した。那覇キャンプ第2クール最終日、和田と松原に2軍行きを通達した。両選手は練習後に空路で宮崎へ移動して2軍合流。指揮官は決断理由を打撃面とし、奮起を促した。

 「なかなか結果が出なかった。内容も良くなかった。でも彼らは若い。もう一度、足りないところを補って挑戦してくるということ」

 期待の右の長距離砲・和田は紅白戦、練習試合計6試合で17打数3安打、打率1割7分6厘。俊足巧打の左打者・松原は計6試合で12打数2安打、打率1割6分7厘だった。宮崎での1軍1次キャンプから必死にアピールしてきたが、那覇に移動後はともに3試合無安打。原監督は打席での姿をシビアな目で見極めた。

 「(判断基準は)実戦ですよ。ゲームの結果は、ボーッと見ているわけじゃない。そこは勝負の世界だから」

 故障者の離脱を除き、那覇キャンプ中に宮崎との移動を伴う「2対2」の入れ替えは極めて異例だ。今回昇格する石川、北村はともに、1軍宮崎キャンプ中の紅白戦に2軍選手として参加し、原監督の目の前で本塁打を放っていた。指揮官は持ち味を全力でアピールすることを要求した。

 「特長というのは彼ら自分たちで分かっているでしょう。欠点を補うのではなく、長所を思い切って出してやってもらいたい」

遠征ソフトバンク戦までが勝負 1軍は13日に宮崎から沖縄へ移動した。そのタイミングで重信が降格し、2軍からは大城、吉川大、立岡が昇格した。現状、1軍の野手は19人。例年野手の開幕1軍登録は16、17人だ。今年は投手も含めた1軍登録枠が1つ増えて「29」となるが、メンバーの絞り込みは不可欠。原監督はその時期として、一つの目安を明かした。

 「遠征が広島、大阪、九州と。帰ってきて、東京に戻ってきたときはかなり狭まったメンバーでいく」

 1軍は3月5日の広島戦(マツダ)から14日のソフトバンク戦(ヤフオクD)まで8試合の遠征。その最終戦を、開幕1軍メンバー構築への一つの目安とした。キャンプ中の残りの実戦3試合を含め、「3・14」までの計13試合が若手にとって勝負の場になる。 その後、関東圏で行うオープン戦、米マリナーズ戦など計7試合で1軍戦力を固め、29日の広島との開幕戦(マツダ)に臨む。

 「チーム内の中で最善の選手を用兵することは僕の役割。いかにいいメンバーをそろえるか、強いチームを作るかだから」

 5年ぶりのリーグ優勝、7年ぶりの日本一へ。原監督は勝負師の厳しい目で刺激を加えながら、陣容を整えていく。(片岡 優帆)

 ◆石川 慎吾(いしかわ・しんご)1993年4月27日、大阪府生まれ。25歳。東大阪大柏原高では3年夏に甲子園出場。11年ドラフト3位で日本ハムに入団。16年11月、吉川光とともに大田、公文との2対2のトレードで巨人に移籍した。愛称は「ダイナマイト・シンゴ」。178センチ、80キロ。右投右打。年俸は2100万円(推定)。

 ◆北村 拓己(きたむら・たくみ)1995年8月29日、金沢市生まれ。23歳。星稜高1年春から三塁手でレギュラー。3年夏に主将として甲子園出場。亜大では16年秋は三塁手、17年秋は遊撃手でベストナイン選出。3年時に大学日本代表。4年時は主将。181センチ、88キロ。右投右打。年俸840万円(推定)。

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