【巨人】大城、逆転3ラン 原監督「正捕手争いにきちんと名乗り出た」

◆オープン戦 巨人3―2日本ハム(24日・那覇)
原巨人が24日、日本ハム戦で今季オープン戦初勝利を挙げた。2点を追う8回、大城が地元・沖縄のファンの前で左翼に逆転3ランを放り込んだ。小林の代打として登場した6回には右前打を放ち、2打数2安打3打点。8回には盗塁を刺すなど攻守にわたる活躍に原監督は「レギュラー捕手争いにきちんと名乗り出た」と笑顔を見せた。2年目の26歳が炭谷、阿部、小林らとの正捕手争いに割って入ってきた。
試合後、沖縄ファンによる「大城コール」が鳴りやむことはなかった。2点を追う8回1死一、二塁。大城のフルスイングした打球は逆方向の左翼席へ着弾した。逆転3ランだ。「手応えはあった。(逆方向への)意識はなかったが、しっかり振り切れたので入ってくれたと思う」。ベースを回っている間、ベンチでは原監督が満面の笑みで大城の帰りを待っていた。
この日は、6回に小林の代打で登場し、すぐさま右前安打。8回の守備では杉谷の二盗を阻止。「課題」としていた守備でも輝きを放ち、「しっかりアピールできたのかなと思います」と手応えを口にした。
原監督も「地元のファンの方が打たせたのかなって半分ぐらい思っているけれども」と冗談を交えつつ、「成長の跡は見られる。スローイングも非常に良くなっているし、何よりパワーは長所。今日はいい形でレギュラー捕手争いにきちんと名乗り出た、と。そういうふうに受け止めています」。持ち前の打力に加え、守備力が向上したことを高く評価した。
今季は阿部、炭谷、小林らと正捕手を争う。持ち前の打力だけでは試合に出られないという自覚を持ち、今キャンプでは相川バッテリーコーチと連日、特守に励んでいる。盗塁を刺す送球の際に頭が前に突っ込みがちになり、しっかり右足に体重を乗せて送球することができていない課題を克服するべく、何度も捕球してからの送球動作を繰り返した。まさに成果が8回に生かされ、同コーチは「決して今日の盗塁刺はたまたまじゃない。やっていることがうまくいっている」とうなずいた。
大城のモットーは「よく食べてしっかり寝ること」。「寝られるときは7~8時間は必ず寝るようにしています」。幼少期から「睡眠」を大切にしてきたことは、頑丈な体につながった。昨季はルーキーながら開幕1軍で登録抹消は一度もなく、83試合(36試合に先発)、打率2割6分5厘、4本塁打、17打点。1年目ながらフル帯同できたのは何よりけがをしない体があったから。父・昌人さん(56)が「小さい頃から、けがというけがはしたことがないですね」と語るほど丈夫な体は一つの武器となっている。
今年は2軍キャンプスタートだったが、1軍が那覇に移動するタイミングで1軍昇格し、故郷に凱旋。「気負い過ぎず、いつも通りです。実戦での結果が一番のアピールになると思うので、そこは意識しました」と大城。「打てる捕手」として巨人の“捕手戦国時代”を制しにいく。(小林 圭太)