【巨人】阿部慎之助、中日戦スタメン志願で1073日ぶり捕手へ「ド緊張」

スポーツ報知
26日の中日戦で1073日ぶりにマスクをかぶる阿部

 巨人の阿部慎之助捕手(39)が、26日の中日との練習試合(那覇)でスタメンマスクをかぶる。コンディション不良のため一時別メニュー調整となっていたが、キャンプ最後の実戦に間に合わせた。試合で捕手に就くのは16年3月20日の西武戦(東京D)以来、じつに1073日ぶり。「ド緊張だよ」と背筋を伸ばす背番号10が、扇の要に帰ってくる。

 百戦錬磨の阿部をもってしても、これだけ長いブランクは未経験だ。26日の中日戦で、1073日ぶりにマスクをかぶる。「ワクワクではないな。ド緊張だよ。『できるかな』と思いながら。いい緊張感をもってやりたい」。那覇キャンプ中にコンディション不良に見舞われ、一時は別メニュー調整となっていたが、「行けます」と原監督に直訴。この日は休日返上でセルラースタジアムを訪れ、球場内のブルペンで体を動かして準備を整えた。

 長い道のりを経て、慣れ親しんだポジションに帰ってきた。15年に一塁手へコンバート。シーズン序盤、相川(現バッテリーコーチ)の故障離脱を受けて緊急捕手復帰するも、6月6日のソフトバンク戦(東京D)でマスク越しにファウルを受け、首を痛めて捕手を断念した。翌16年はキャンプ前から捕手復帰を目指したが、今度はオープン戦期間中に右肩痛を発症。マスク姿は、同年3月20日の西武戦が最後となっていた。

 阿部は昨秋、原監督に電話して捕手復帰を直訴した。「あと1、2年で現役が終わるかもしれない。最後は捕手で終わりたい」。1月のグアム自主トレでは、基礎となる下半身の強化から始めた。キャンプ中は毎朝、全体練習前にブルペンで投げ込みと捕球の練習を繰り返した。この日も、球場内のブルペンで朝井打撃投手の球を受けるなど、準備を進めた。「覚悟はしていたけど、体の疲れ方は想像していた以上だな」。足、腰、背中、両肩…。キャンプ中盤以降、体は常に悲鳴を上げていたが、自ら捕手復帰を志願したという責任感が体を奮い立たせた。

 投手陣も、背番号10が扇の要に帰ってくることを待望している。復帰戦でバッテリーを組む先発の山口は「勉強になる部分はたくさんあると思う。ゲームの中で見てもらった感覚を聞いて、次につなげられたら」と目を輝かせた。キャンプ前の自主トレ期間中から熱心に助言を送っていた3年目左腕の大江は、実戦4試合で無安打無失点と好投を続けている。かつて最強捕手に君臨していた男の頭脳は、投手力の底上げにも大きく貢献している。

 打席を多く回したい原監督の意向もあり打順は流動的だが、出場は3イニング程度となる見込み。その後の予定は試合後の体の状態などを見て判断していくことになりそうだが、小林や新加入の炭谷が期待通りの存在感を示し、大城も24日の日本ハム戦(那覇)で逆転3ラン、二盗阻止でアピールした。そして、キャンプ最後の実戦。阿部がマスクをかぶることで、正捕手争いのゴングが鳴る。(尾形 圭亮)

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