【巨人】逃げ道断つ、１０７３日ぶり捕手・慎之助の意地…担当記者が見た

　巨人の阿部慎之助捕手（３９）が、２６日の中日との練習試合（那覇）でスタメンマスクをかぶる。コンディション不良のため一時別メニュー調整となっていたが、キャンプ最後の実戦に間に合わせた。試合で捕手に就くのは１６年３月２０日の西武戦（東京Ｄ）以来、じつに１０７３日ぶり。「ド緊張だよ」と背筋を伸ばす背番号１０が、扇の要に帰ってくる。阿部番の尾形圭亮記者が、慎之助の「意地」について「見た」。

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　原監督は、阿部の捕手復帰について「キャッチャーで勝負。仮にまた『慎之助ファーストいくぞ』と言ったら、チームは後退している」と話していた。一塁手や代打専門での起用はせず、捕手に専念させるということだ。もちろん本人もそのつもりで、「捕手一本で勝負するつもりだし、そういう覚悟で（捕手復帰を）お願いした」と言い切る。

　キャンプ最後の実戦に捕手として出場することは、阿部の意地だろう。那覇キャンプ中にコンディション不良となり、ここまで実戦は代打での２試合のみ。あれだけキャリアのある大ベテランなら、無理せずじっくり調整し、キャンプ終了後に捕手復帰という道もあったはず。だが、それでは捕手バトルは始まらない。出場志願はチームを前進させるためであり、「逃げ道を断つ」という阿部のメッセージのように思える。