【巨人】岩隈、開幕2軍 3年連続大型連敗“鬼門”5月の救世主

スポーツ報知
投球練習を行った岩隈(連続合成写真)

 巨人・岩隈久志投手(37)が開幕1軍を外れることが確実となった。右腕は27日、那覇キャンプで移籍後初めてマウンドからホームまで正規の距離で45球の投球練習。視察した原辰徳監督(60)は本人と話し合った上で「開幕までで考えるならば、まだ彼には少し時間が必要かな」と説明し、17年9月に手術した右肩の状態を考慮して万全を期すために5月の1軍合流を期待する考えを明かした。28日のキャンプ打ち上げ後は、2軍で調整を続けることも決まった。

 鋭い視線の先に背番号21がいた。ブルペンに足を運んだ原監督は、岩隈の一挙手一投足を見逃さなかった。時折うなずきながら、じっと見つめた。練習後の会見。下した決断を明かした。

 「だいぶできるな、思ったよりも投げられるな、というのが僕の印象。ただ、開幕までで考えるならば、まだ彼には少し時間が必要かなとも思う。本人もそれに対しては『そう思います』と。東京に帰ったら、ファームに合流して仕上げていくということになりました」

 那覇キャンプ打ち上げ前日。岩隈は加入後初めて18・44メートルの距離で、阿部を相手に45球を投げた。指揮官は自ら現状をチェック。手術した右肩の回復が順調なことは分かったが、本人と話し合い、万全を期す方針を確認。“猶予”を与えた形となった。

 この那覇キャンプで岩隈は、けが明けということもあり、細心の注意を払いながら状態を上げてきた。ブルペンに入っても立ち投げや、捕手を本塁前まで出しての投球を繰り返してきた。「本人もその辺は慎重にいかざるを得ないというところはあるでしょう」と原監督も思いやる。キャンプ後、まだ寒い関東に戻って無理をして、また感触を悪くしては元も子もない。言うまでもなく目的は投げることではなく、勝つこと。開幕1軍回避は最善策だ。

 次なるターゲットは、開幕から1か月後の1軍登板に設定した。宮本投手総合コーチは4月に入ってからの実戦登板プランを描き「最後に焦っても仕方ない。(1軍復帰は)5月くらいですかね」と説明。くしくも5月は16年に7連敗、17年はその後球団ワーストの13連敗へとつながる6連敗、18年も5連敗を喫するなど近年、鬼門となりつつある。必ずレジェンド右腕の力が必要になる時が訪れる。報道陣から“救世主”としての役回りを期待するかと問われた原監督は「もちろん」と4度繰り返した。

 チームにとっては誤算だが、開幕ローテを争う他の選手にとってはチャンスになる。先発6枠のうち菅野、山口、メルセデスまでは確定。外国人枠の兼ね合いもあるが、ヤングマンも有力となっており、残る2枠を田口、今村、高橋の若手左腕トリオや、26日に先発転向が決定し、2軍からの巻き返しが期待される沢村らが激しく火花を散らす。原監督も「それはそうなると思いますね」と、さらなる競争を促した。「チームは生き物」が指揮官の信条。全てをプラスに変え、前進させていく。(西村 茂展)

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