【巨人】丸「緊張した」東京ドーム“二重丸”デビュー…技ありエンドランで初打点「尚輝に感謝」

スポーツ報知
3回1死一塁、丸が左中間適時二塁打を放ち先制(カメラ・生澤 英里香)

◆オープン戦 巨人5x―4ヤクルト(2日・東京ドーム)

 東京D初見参となった“巨人・丸”が“二重丸”の本拠地デビューを飾った。ヤクルトとのオープン戦に「2番・中堅」でスタメン出場。0―0で迎えた3回1死一塁、左中間へ名刺代わりのタイムリー二塁打で先取点を奪うと、5回にも中前安打を放ち、3打数2安打1打点。3万9322人の観衆が訪れる中、マルチ安打で早くもG党のハートをわしづかみにした。

 オレンジタオルで揺れるスタンドからの大歓声は、二塁塁上の丸だけに注がれた。“本拠地デビュー戦”の2打席目。3回1死一塁。原の外角低めのシュートを振り抜いた打球は、一塁走者の吉川尚がスタートを切ったことでぽっかりと空いた三遊間を抜け、左中間フェンス手前まで転がる適時二塁打となった。

 巨人の一員として東京Dでマークした初安打&初打点に「(吉川)尚輝が動いてくれたのでヒットゾーンが広がりました。尚輝に感謝です。ありがとう」。後輩を持ち上げたが、原監督は「分かっていたかのようにあそこへガチーンと強い打球を打てるというのはね、教本として残しておきたいところですよね」と称賛。昨季、広島で9打数無安打5三振と天敵だった右腕を仕留めた。

 さらに5回2死では中前安打。昨季の東京D初戦のオープン戦は2万7360人の観衆だったが、この日は3万9322人を動員。「本当にビックリしましたし、やりがいがあるというか、見に来てくれる人たちのためにも結果で応えることが一番かな」。あいさつ代わりのマルチ安打にもなった。

 東京Dは幼少期にG党として試合観戦に訪れた場所であるとともに、広島時代にデビューを飾った場所だ。高卒3年目の10年9月11日。午前中、2軍施設のある山口・由宇で練習していたところ1軍昇格の連絡を受け、巨人戦が行われている東京Dへ試合途中に到着する“強行軍”で移動した。

 昇格した日の出番はなかったが、翌12日に1―5で負けていた9回2死から代打で初出場。「キャッチャーが阿部さんで打席に立った時に『初打席か?』って聞かれて『そうです』みたいなやりとりもしました。今でも覚えています」。結果は当時の守護神・クルーンの前に二ゴロ。それでも、この場所がスタート地点だったことは今でも鮮明に覚えている。

 広島で3連覇&2年連続MVPを獲得し、FAで巨人に加入した。これからの本拠地となる東京Dでの初戦。試合前こそ平常心だったが、「緊張しました」と試合中はファンが掲げる自身の応援タオルを見たり、打席で応援歌を聞く余裕もなかった。試合後も囲み取材を終えると「駐車場はどっちから行けるんですか」と報道陣に尋ねるなど、初々しさも見せた。

 それでも、この日の鮮烈デビューにG党の期待はさらに高まった。「打点を挙げて(ファンに)どんどん名前を呼ばれるように頑張りたい」。シーズン中は、さらにまばゆい輝きを放つはずだ。(後藤 亮太)

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