【巨人】原監督“プレ開幕戦”で「攻めて」「試して」鯉解剖

スポーツ報知
羽田空港から笑顔で広島へ向かう原監督(カメラ・橋口 真)

 巨人・原辰徳監督(60)が4日、“プレ開幕戦”で王者・広島を丸裸にする意欲を示した。チームはこの日、敵地へ移動。5日からマツダで広島2連戦に臨むが、指揮官は「自分たちのチームとはまた別の形で、しっかりと観察する」と言い切った。投手陣に対しても、打たれるのを恐れず「攻める」「試す」をキーワードにし、開幕と同じ舞台での一戦で、今季の広島の戦力把握に努めていく。

 単なるオープン戦、では終わらせない。原監督には狙いがあった。5、6日と広島との2連戦が行われる。敵地へ移動する際の羽田空港で、ゆっくりと口を開いた。

 「チャンピオンチームであり、しかも3連覇をしている力のあるチームですからね。自分たちのチームとはまた別の形で、そこはしっかりと観察する必要は強くありますね」

 29日からの開幕3連戦で激突する王者とのオープン戦唯一の2試合。しかも舞台は“本番”と同じマツダ。この絶好の機会に、旬の情報を持ち帰り、広島を丸裸にする。

 広島の充実ぶりには、指揮官も一目置いている。丸が自軍に移籍したとはいえ、田中、菊池の二遊間、4番・鈴木誠也は健在。その丸の穴を埋めようと、巨人から長野を迎え、昨季まで三塁を守っていた西川や、打力が魅力な3年目捕手の坂倉が外野手に挑戦。さらには、オープン戦で高卒ルーキーとは思えない活躍を続けるドラ1・小園ら、次から次へとスター候補生が現れるカープは、まさに黄金期と言ってもいい。

 「そう考えると、攻撃陣に関してはすごく層が厚いですよ。投手陣も毎年、誰かが出てくるよね。左で球の速いフランスアとかね」

 生の情報は最高の教材になる。先発予定は、5日が山口、6日がヤングマン。ともに開幕ローテ入りはすでに有力となっている。だからこそ、ローテ争いを勝ち抜くための目先の結果ではなく、自分の実力を把握するための“収穫”を持ち帰ってほしいと願う。

 「仮に打たれても勉強になる? そう思いますよ。一番いけないのは逃げること。『攻める』『試す』。この2つのワードが必要」

 15年シーズンで第2次政権を終えた原監督。広島が3連覇した16年から、巨人はマツダで苦杯をなめ続けた。その間、原監督は解説者を務めていたが、精神的には「一ファンという形で」野球に接してきた。だから常に言う。

 「僕は、強い広島を知らないからね」

 それは決してチャンピオンに敬意を払っていないわけではなく、余計な先入観を持たないという指揮官のマインドだ。2試合で広島の強さを肌で実感することもあるだろう。秋に笑うため、全てをシーズンへの糧にする。重要な意味を持つ2試合だ。(西村 茂展)

 ◆巨人マツダスタジアムでの戦い

 ▽15年 5月5日、先発の杉内が自己最短の2/3回を6失点KOされるなど、チーム史上初となる初回10失点で首位陥落となった。

 ▽16年 大逆転優勝へ7連勝で迎えた8月7日。1点リードの9回2死から守護神・沢村が菊池に同点ソロを浴び、丸へ四球を与えると、新井のサヨナラ二塁打で敗れた。この一戦で息を吹き返した広島は25年ぶりにリーグ制覇。

 ▽17年 8月12日は菅野が先発に立ち、7回1失点と好投。打線は薮田の前に沈黙し完封負け。この試合が“マツダの呪い”となる13連敗の始まりだった。

 ▽18年 8月12日、ちょうど1年ぶりにマツダスタジアムで勝利。1番・重信やマギー、陽岱鋼ら打線一丸で白星を手にした。

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