【巨人】原監督“オープナー”導入 18日マリナーズ戦、リリーフ陣のみ小刻み継投

スポーツ報知
降雨のため、室内練習場へと向かう原監督(中央)。広島戦は雨天中止となった(カメラ・橋口 真)

◆オープン戦 広島―巨人=中止=(6日・マツダスタジアム)

 巨人・原辰徳監督(60)が6日、メジャーを相手に“原流オープナー”を導入するプランを明かした。18日に行われる「2019 MGM MLB開幕戦プレシーズンゲーム」のマリナーズ戦(東京D)では、リリーフ陣のみによる小刻みな継投で戦う方針。ローテーションの谷間を埋めるためや、先発投手が登板日当日に急なアクシデントに見舞われたケースなど有事を想定して、オープン戦で経験させておく。

 固定観念にはとらわれない。原監督が革新的なアイデアを披露した。巨人は17、18日に、メジャーの開幕戦を控えるマリナーズとプレシーズンゲームを行う。「1試合は『ブルペンデー』という形でやってみようじゃないかと。ローテ投手の調整を狂わせないでね。スケジュールの中に入れてほしい、と(投手コーチに)伝えました」。スケジュールを精査した結果、18日に行われる第2戦を、救援投手だけのリレーで戦うプランを明かした。

 言わば“原流オープナー”だ。メジャーでは近年、「オープナー」と「ブルペンデー」という戦略が流行しつつある。前者は救援の投手を先発として送り、全力投球で上位打線を抑えて失点率の高い立ち上がりを乗り切った後、2番手に本来の“先発投手”を持ってくるもの。後者は救援陣のそれぞれが行けるところまで行ってバトンをつなぐものだ。今回のケースは大江、桜井、坂本工や吉川光らを軸に、それぞれ1、2回程度の登板で小刻みに継投していく予定で、前述の両者を組み合わせたようなもの。「意識付けというかね。ないとは言い切れない。有事としてあり得るから」と説明した。

 主眼は危機管理にある。今年は4月27日から10連戦も予定されるなど、タイトな日程で先発ローテの谷間ができることもある。先発投手が当日の朝になって発熱や寝違えなどの体調不良や、試合前練習での故障を訴えることもあるかもしれない。「先発投手が6人でしっかり回ってくれればいいんだけど、そういうのを『生きた教本』としてできればいいと思って」と原監督。オープン戦で予行を済ませておくことで、選手にもこういうケースもあり得ると意識付けできれば、対応や準備もスムーズにいく。

 マリナーズとの一戦で試みることで、多くの投手が世界最高峰の打者を相手にすることができるという狙いもある。「メジャーリーグと対戦することも含めて、いい経験にもなるんじゃないかと思うしね。(18日は)いろんな意味で条件がいい」と、若大将も期待する。

 特に今年から出場登録選手の枠が1人増えて、29人になった。リリーフを増員できる可能性もあり、戦略の幅が広がった。原監督も力を込める。「いろいろあるよね。ただ、そういう野球があるんだ、そういう野球もできるんだというところがあればね」。経験に勝る武器はない。最高の機会を、無駄にはしない。(西村 茂展)

 ◆オープナーとは 昨季のメジャーでは、試合を締める「クローザー」に対し、試合を始める「オープナー」起用が話題になった。流行の始まりは5月19日。右の強打者が上位に並ぶエンゼルスに対して、レイズが右の救援投手ロモを先発させて1回無失点、2回から本来先発のヤーブローを起用した。立ち上がりを苦手とする先発投手が上位打線との対戦を回避できることや、初回の得失点が試合を左右する一つの要素であるという考えから、先発の駒不足に悩むチームなどで採用された。これに対して、リリーフ投手だけで1試合をまかなうことを「ブルペンデー」と呼ぶ。

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