【巨人】NEW沢村、逆転開幕ローテへ猛アピール 原監督「一歩階段を上った」

スポーツ報知
順調な調整ぶりに明るい表情を見せる沢村(カメラ・佐々木 清勝)

 巨人の沢村拓一投手(30)が7日、ジャイアンツ球場室内で行われた2軍練習で先発転向決定後、初めてシート打撃に登板。打者9人に対し、2四球を与えながら4三振を奪って無安打に抑えた。菅野、山口、メルセデス、ヤングマンに続く開幕ローテーション入りを猛アピール。結果を伝え聞いた原監督も「その一角に入ってこられたらいいなと思いますね」と期待を込めた。

 沢村の剛球に、打者のバットがことごとく空を斬った。先発復帰決定後、シート打撃に初登板。「スライダー、カットボールでカウントを作れた。フォームが安定してきたらもっと良くなると思いますよ」と確かな手応えを口にした。

 序盤はややボール球が多かったが、落ち着いてカウントを整えた。「前半は少しばらついたけど、どこで腕を振ればいいか投げる中で分かってきた。ボール先行でも焦りはなかったです」。最後は村上、田島、湯浅を3者連続で空振り三振に斬って取り、きっちりと修正して見せた。

 岩隈の助言を胸に、5年ぶりの先発ローテ入りへ挑んでいる。ベテラン右腕からは「先発は球数が増える。効率よくアウトを取ることが大切」と金言を授かった。リリーフ時は投げる頻度が少なかったツーシームの感覚や投げ方を直接聞き、5日から練習を開始。「カウントを『稼ぐ、誘う、決める』。投球の中でこういうメリハリができれば一番いいですね」と話す。この日も投げ込みながら捕手に逐一「今、変化した?」「今のはどうだった?」と確認。終了後は対戦した打者に反応を聞いて回るなど、積極的な姿勢を貫いている。

 もう一つのテーマは“脱力”だ。中継ぎでは1球1球が勝負。常に全力で腕を振ってきたが、現在は「感覚では8割くらいのイメージです」と先発仕様にシフト。6日にG球場で阿部とキャッチボールをした際は「それくらいで十分」とお墨付きをもらった。

 現状、開幕ローテ入りは菅野、山口、メルセデスが当確で、ヤングマンも濃厚となっている。沢村は残り2枠を野上、田口、今村、畠、高橋らと争う。順調なら次回は14日のイースタン教育リーグ・楽天戦に登板し、長いイニングを投げる予定。「ゲームに入れる体にはなっている。練習で良くても試合で使えなきゃしょうがない。早く実戦で投げたい気持ちはあります」と意欲を燃やす。

 結果を伝え聞いた原監督も「一歩階段を上ったところでしょう。畠や高橋とともに(開幕ローテの)一角に入ってこられるといいなと思います」と“大逆転”での開幕ローテ入りに期待を込めた。2月下旬という異例の時期での配置転換にも「できるかできないかじゃない。やれるものだと思ってるんで」と沢村。その目には、もう迷いはない。(河原崎 功治)

巨人

×