【巨人】1番・坂本勇、OP戦9年ぶり先頭弾 全開モードで開幕を迎えるために続ける準備

スポーツ報知
1回無死、左越えに先頭打者アーチを放った坂本勇(捕手・若月=カメラ・池内 雅彦)

◆オープン戦 オリックス7―1巨人(8日・京セラドーム大阪)

 巨人が“新オーダー”を試した。オリックス戦(京セラD)で今年初めて1番に座った坂本勇が、初回先頭で左翼席へオープン戦1号ソロ。シーズンでは通算17本マークしているが、オープン戦では10年3月20日の横浜戦(東京D)以来、自身9年ぶり2本目の先頭打者本塁打だ。開幕に向け「2番・丸&3番・坂本勇」と「1番・坂本勇&3番・丸」を念頭に置く原監督にとってうれしい悩みとなった。先発・菅野は4回を投げ、まさかの9安打6失点。セットポジションでの投球に苦しみ、反省の弁が口を突いて出た。

 真っさらなバッターボックスに立った坂本勇は、迷いなくバットを振り抜いた。初回先頭。初対戦のエップラーの真ん中よりやや低めのカットボールを捉え、打球を左翼席まで運んだ。「コンパクトに打つことを心掛けました。少し泳ぎ気味でしたが、ホームランになって良かったです」。オープン戦では16年3月16日のヤクルト戦(神宮)以来となる1号ソロを振り返った。

 ここまで5試合全て3番だったが、この日は今季初めて1番に座った。「ホームランバッターではないので、3番でも1番でもやることは変わらない」と話すが、オープン戦に限っては9年ぶり2本目も、シーズンでは通算17本の先頭打者本塁打をマークしている。恐怖の1番としての適性を改めて見せたが、経験豊富な主将なら何番でも順応できる。

 この試合まで15打数2安打でレギュラー陣では最低の打率1割3分3厘。例年、オープン戦の打率は低調ということもあり「吉兆なんじゃないですか」と話すなど冷静に現状を捉えていた。

 それでも、少しでも早く復調の糸口をつかむために努力を惜しまない。2日のヤクルト戦(東京D)の試合前練習のこと。通常は若手が行う早出打撃練習に姿を現したのはバットを手にした勇人だった。「時間がある時に振らないと」と多くを語ることはないが、自ら志願して約30分間、一心不乱に振り込んだ。7日の全体練習でも丸とともに特打。振り込み量とともに打撃の感触も良くなっている。

 練習をサポートしてくれる人々への感謝も忘れない。那覇キャンプ中には、打撃投手に加え、ブルペン捕手も招待し、自身の主催で食事会を開催。日頃の感謝の思いを伝えるなど、チームリーダーとしての振る舞いも見せている。

 この日は、2打席目は左飛、3打席目は中飛に倒れたが、4打席目は中前安打を放つなど今季初のマルチ安打もマーク。「ホームラン以外の打席も内容が良かった。シーズンでも同じですけど、いい時のタイミングだったりを継続していきたい」と手応えを口にした。

 「打率もホームランも打点も現役でいる間は常にキャリアハイを目指したいです」。全てはチームの5年ぶりのリーグ優勝のため。開幕から全開モードで突入するために、準備を続けていく。(後藤 亮太)

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