【巨人】平均年齢26.4歳の若手が躍動10点快勝!チーム力底上げのアピール合戦

スポーツ報知
2回無死一塁、田中俊が左中間に適時三塁打を放つ(カメラ・池内 雅彦)

◆オープン戦 オリックス3―10巨人(9日・京セラドーム大阪)

 ヤングGが躍動した。巨人・原監督はオリックス戦でスタメンを大幅に入れ替え、平均年齢26・4歳の若手主体の打線を組んだ。4番・北村が決勝打を放ち10得点で快勝。全13安打中8安打が2ストライクからと粘りが光った。岡本、小林らが日本代表に招集されて不在の中、1軍生き残りを目指す若手のアピール合戦となった。

 この試合を象徴するような打席だった。三塁ベンチの原監督は山本の驚異的なしぶとさに拍手を送った。8回無死一、二塁。比嘉に対してファウルで粘り、フルカウントからの12球目をライナーで中前適時打。指揮官は「1本のヒットじゃないくらい(相手に)ダメージを与える感じがしますね」と高評価した。先発野手の平均年齢26・4歳という若手主体打線で10得点。結果も内容も充実していた。

 坂本勇、丸らベテラン中堅はベンチスタート。田口、小林、岡本、吉川尚が侍ジャパンで不在の中、出場機会を与えて見極める意味も込め、田中俊、松原、北村、大城、石川、山本、立岡、吉川大と新鮮な名前が並んだ。必死に食らいついて簡単にアウトにならず、全13安打中8安打が2ストライクから。オリックス5投手の球数は計209球にも達した。

 原監督「持ち味がしっかり出ていて良かったと思いますよ。(初回の亀井、北村、大城の連打は)3人連続2ストライクからだったね。ああいうバッティングは素晴らしい」

 田中俊は三塁打に2四球で、オープン戦の出塁率は4割6分7厘。4番・北村は初回2死二塁、ディクソンから中前適時打を放ち「大きなチャンスと思って臨みました」。大城3安打、石川2安打。山本は5打席で相手に計37球投げさせて2安打し「相手の嫌がることをどんどんやってアピールしたい」。吉川大は三塁打を含む2安打し「みんな気合入っていましたね」。それぞれが特長を出した。

 原監督はキャンプのシート打撃でさまざまなカウントを設定。打者に決め球への対応策などを考えさせるため、カウント2―2から始めた日もあった。フリー打撃では「全員がフルスイングを意識」と強く振ることを求めてきた。中途半端に当てにいかず振り切るから、凡打でなくファウルになって粘れるのかもしれない。継続してきた練習の成果が、若手の姿に表れた。

 1軍は現在、11泊12日の長期遠征中。原監督は「東京に戻ってきたときはかなり狭まったメンバーでいく」とし、遠征最終戦となる14日のソフトバンク戦(ヤフオクD)を、選手を絞り込む1次リミットとしている。1球、1打席が重要な判断材料となっていく。

 試合後、指揮官は「(ベテラン中堅と)どっちがレギュラーだか分からないよね」と若手の必死のアピールにうなった。互いに刺激し合い競争は激化。原巨人のチーム力は着実に上がっている。(片岡 優帆)

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