【巨人特集】契約白紙からはい上がる上原浩治の覚悟<1>決断した左膝手術

スポーツ報知
ブルペンに入り力投する上原浩治(カメラ・杉山 彰一)

 大リーグから巨人に電撃復帰し1シーズンを駆け抜け、一度は契約白紙となりながら、再び巨人に戻って19年シーズンに臨む上原浩治投手(43)。スポーツ報知では「契約白紙からはい上がる上原浩治の覚悟」と題して、球界最年長右腕の特集を全3回でお届けします。第1回は「決断した左膝手術」。(ペン・柳田 寧子、カメラ・杉山 彰一)

 真っ青に広がる青島海岸を窓から見渡せる畳部屋は、昔と変わらなかった。11年ぶりに戻ってきた宮崎。上原はキャンプの休日をひとり、自室で過ごしていた。

 寝ころんで目をやっていたのは、安室奈美恵のファイナルコンサートのDVD映像。知人に頼んで用意してもらった物。知っている曲はあるが、熱狂的なファンを続けていたわけではない。

 「もう引退して、(芸能界に)居ないやん。だから、観とこうかなと思って」

 平成の歌姫は華のあるうちにマイクを置いた。惜しまれながら、引退した。

 キャンプ中に持参したDVDは他にもあった。でも鑑賞したのは、安室奈美恵のそれだけだった。

 「今年のオレの姿を目に焼き付けておいてほしい、ファンの人たちには。それが良かろうが悪かろうが。深い意味は特にないけど…」

 濁した言葉に、深みが感じられた。

 ニュースが流れたのは、昨年のシーズンが終わって10日後の10月29日だった。「上原浩治選手、自由契約」。巨人は、2019年の契約を白紙とした。

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