【巨人】村田修一コーチ、BC栃木・西岡に託した夢「NPB復帰目指して」

スポーツ報知
BC栃木時代の村田修一

 巨人の村田修一ファーム打撃兼内野守備コーチ(38)が12日、独立リーグBC栃木に入団する前阪神・西岡剛内野手(34)のNPB復帰を応援する姿勢を示した。

 この日、BC栃木が正式に西岡の加入を発表。村田コーチは17年オフに巨人を自由契約になり、昨年は単身赴任でBC栃木でプレー。NPB復帰という目標を持って懸命にプレーしたが、獲得期限の夏までにオファーなし。BCリーグ60試合で打率3割4分3厘、14本塁打、62打点という成績を残して現役引退し、今季から巨人のコーチに就任した。

 自身が在籍したBC栃木に西岡が加入することを知り「BCリーグ全体のために、もがいて欲しい。NPB復帰を目指して頑張って欲しい」とエールを送った。もちろん、険しい道のりだと知っている。その上でNPB復帰を夢見ていた1年前の自分を思い出しているかのようにつぶやいた。

 村田コーチは昨年1年の経験は、本当にプラスだったという。「技術的なことで言えば、BCリーグの若い選手はできないのが当たり前。NPBでやっていた時は若い選手を見て『何でそれができないのかな?』と思うこともあったけど、『何でできないのかな』と全く思わなくなった。それは今、コーチとして若い選手と接する上ですごく役立っている。できなくても、BCリーグの選手は野球をうまくなろうと必死にやっている。そういう姿を見るのも勉強になる」と話していた。

 村田コーチは現在、育成選手や高卒ルーキーたちを中心に指導している。それぞれの選手と課題を話し合って共有。自分の理論を押しつけるのではなく、風通しの良い指導を目指している。会社の仕事でも上司が部下や若手に「何でできないんだ」と言うのは簡単だ。でも、それだけでは解決しない。村田コーチの指導方針は「できない」ことを受け入れ、一緒に成長していきたいと思うからこそ出るものなのかもしれない。

 西岡がこの先、どんな道を歩むかは分からない。でも、村田コーチがそうだったように、決して思い出作りのためにBCリーグで野球をやる訳じゃない。本気でNPB復帰を目指して若手と汗を流したからこそ、見えたものもある。村田コーチがかなわなかったNPB復帰。08年北京五輪日本代表でチームメートだった西岡に夢の続きは託された。

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