【巨人】阿部、開幕危機 左ふくらはぎの張りで緊急帰京

スポーツ報知
試合前練習中に険しい表情を見せる阿部

 巨人の阿部慎之助捕手(39)が左ふくらはぎの張りのため、1軍から離脱することになった。12日のソフトバンク戦(北九州)の試合前練習を途中で切り上げ、帰京。今後は3軍に合流し、リハビリを開始する。プロ19年目の今季、4年ぶりに捕手復帰。小林、炭谷、大城と枠を争ってきた開幕1軍入りに黄信号がともったが、一方で侍ジャパンから戻った小林が盗塁阻止率10割をキープし、好機を拡大させる安打も放つなど存在を際立たせた。

 阿部は厳しい表情で、口を真一文字に結んでいた。ソフトバンク戦のプレーボール直前。ジャージー姿で足早にロッカールームから出てくると、球場正面につけられたタクシーへと乗り込んだ。球団からの発表は「左ふくらはぎの張り」。1軍本隊を離れ、そのまま帰京した。原監督は「コンディションをつくり直すということ」と説明。今後は3軍に合流し、リハビリに臨むことになる。

 異変を感じたのは、8日のオリックス戦(京セラD)前だった。試合前練習のフリー打撃を早めに切り上げると、シートノックに参加せず、試合も欠場。翌9日の同カード、10日の阪神戦(甲子園)と、3試合連続でグラウンドに立つことはなかった。11日の移動日を挟み、この日は患部の状態をチェックするようにフリー打撃、キャッチボールと消化したが、守備練習には入らなかった。回復具合が思わしくなく、指揮官に離脱を申し出たとみられる。

 公式戦4年ぶりの捕手復帰にあたり、阿部は昨秋の自主トレから入念に体づくりを進めてきた。ブランクを埋めるべく、キャンプ中は毎朝、全体練習前に投げ込みと捕球の自主練をこなした。しかし、「覚悟はしていたけど、体の疲れ方は想像していた以上」と疲労の蓄積がピークに達した那覇2次キャンプ中には、背中付近の張りで別メニュー調整を強いられた。

 それでも2月26日の練習試合・中日戦(那覇)では先発マスクをかぶり、1073日ぶりに扇の要に座った。3日・ヤクルト戦(東京D)では、途中出場で右越え2ラン。5、6日の広島遠征は免除となったが、G球場で1時間の打ち込みを敢行し、ブルペンでは上原の球を受けていた。攻守において状態は上向きつつあり、捕手バトルへ再スタートを切ったはずが、無念のリタイアとなった。

 「慎之助が戦列を離れたというところでね。(小林、炭谷、大城が)三者三様でそれぞれ長所を持っているので、もう少し時間が(必要)というところ」と原監督。開幕1軍入りの可能性はゼロではないが、小林、炭谷、大城がそれぞれ持ち味を発揮していることや、開幕まで残り20日を切っていることを考えれば厳しい状況だ。阿部が開幕1軍を外れれば11、16年に続き3度目。1軍捕手枠争いが、予期せぬ形で最終ラウンドを迎えることになった。

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