【巨人】坂本勇、復調2号…原監督「3回目の監督になって初めて、いい当たりを見たよ」

◆オープン戦 ヤクルト7―8巨人(16日・神宮)
一撃で仕留めた。坂本勇の両手には確かな感触が残った。「高めの直球に力負けせず、センター方向へうまく押し込むことができた」。5試合ぶりのオープン戦2号ソロに喜びをかみ締めながらベースを回った。
3点リードの7回先頭。左腕・高橋のカウント1―1からの3球目、真ん中高め147キロを振り抜き、右中間席へとたたき込んだ。原監督が「3回目の監督になって初めて、いい当たりを見たよ」と冗談を交えてたたえた一撃には「しっかり打つことができたのでね」と自身も納得。逆方向へ大きな打球が飛ぶことが、調子のバロメーター。試合前までオープン戦10試合に出場し、打率1割6分1厘と苦しんでいた背番号6にとって、この一発は復調の兆しとなりそうだ。
主将5年目として臨む今季。「そういう(真のリーダー)気持ちで常にやりたいと思っている」という言葉は行動に表れている。ドラフト1位・高橋がオープン戦初先発した13日のソフトバンク戦(ヤフオクD)。緊張のせいか、立ち上がりから制球に苦しんだ。味方の失策から主軸に3連打を浴びて2点目を与えた直後、坂本勇はマウンドへ向かった。「コントロールに苦しんでると思うけど、どんどん腕を振っていけよ」。背中を押された左腕は上林を空振り三振に仕留め、「気持ちが楽になった」と感謝した。このオフは23歳の北村から合同自主トレを志願されるなど、後輩からも慕われる。行動で示す心遣いは、チーム内のお手本となっている。
17日からはマリナーズとのプレシーズンゲーム2連戦(東京D)が組まれており、イチローとの対面に「すごく楽しみです。見て学ぶこともたくさんあると思う」と心を躍らせる。開幕まで2週間を切った。良いものを吸収してベストな状態でシーズンインする。(小林 圭太)