【巨人】坂本勇、イチローと握手の刺激をバットに込めて一発「財産です」メジャーから3安打3打点

スポーツ報知
5回1死、マリナーズのリーク(手前)から左越え本塁打を放つ坂本勇(カメラ・宮崎 亮太)

◆プレシーズンゲーム 巨人4―6マリナーズ(17日・東京ドーム)

 勇人がイチローの前で快音を響かせた。巨人は17日、「2019 MGM MLB 開幕戦」(20、21日・東京D)シリーズに臨むマリナーズと東京Dでプレシーズンゲームを戦い、4―6で敗れたが、坂本勇が3安打を放ち、メジャーリーガー相手に存在感を示した。5回には16日のヤクルトとのオープン戦(神宮)から2戦連続となる本塁打を左越えへ運ぶなど、3打点の大暴れ。試合前にはイチローと握手を交わし、得た刺激をそのままバットに込めた。

 憧れの選手に注がれていた4万人を超える熱視線を、一瞬で奪った。坂本勇の打球は一直線に左中間席へと飛び込んだ。「追い込まれていたので、コンパクトに振り抜くことを考えていました」。1点リードの5回1死。メジャー通算93勝を誇るマ軍先発のリークのチェンジアップを完璧に捉えた。前日(16日)のヤクルトとのオープン戦に続く2試合連続弾だ。

 リークが「彼はいい打者。もし彼が米国に来たら間違いなく優れたメジャーリーガーになると思う。彼にしかないものを持っているように見えた」と絶賛した一発。3回1死二塁でも同点の中前適時打、9回2死三塁でも右翼線適時二塁打を放った。

 打席ごとに左足の上げ幅やタイミングの取り方を変えて臨み、5打数3安打3打点。「内容のあるいいバッティングができた」と満面の笑みを浮かべた。

 守備でも3回先頭、三遊間を抜けそうな深いゴロを逆シングルで好捕。一塁へノーバウンド送球し、アウトにした。原監督も「日本球界を代表する選手として、素晴らしい役割を果たしたと思います」と賛辞を贈った。さらには「2番・坂本勇」を引き合いに出し、「今日のマリナーズの2番打者も私が見る限り、一番いいバッターな気がした。チーム構成的なものもマリナーズと似ているのではないかな」と吉川尚、坂本勇、丸の1~3番の並びに手応えをつかんだ。

 夢の時間だった。試合前には対面を熱望していたイチローを見つけると自らあいさつに向かい、がっちり握手を交わした。

 「ちゃんと会話するのは初めましてだったので、『初めまして、坂本です』ってあいさつしたんですけど、『初めましてじゃねーだろ』と言われました(笑い)。認識してくれていてうれしかったです」

 対面は12年、東京Dでメジャー開幕戦が行われた際に対戦して以来。07年にプロの世界に飛び込んだ時、イチローはすでに大リーガーとして活躍していた。この日、視線をかっさらった背番号51に「球場の雰囲気が変わるってすごい」と改めて感動し「いまだに、僕の中ではオンリーワンの人。走る姿や打席に立っている姿が見られるだけで幸せですね。明日も少しファン目線で見るところもあるかも」と笑った。

 帰り際も「一緒に試合をしたのは財産です」と笑顔が絶えなかった勇人。イチローの前で放った豪快な一発は、一生忘れられない本塁打となったはずだ。(小林 圭太)

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