【巨人】今村、ローテ当確…全9球直球でイチロー斬り「いい経験させていただきました」 

スポーツ報知
2回無死一、二塁、今村はイチロー(右)を中飛に打ち取る

◆プレシーズンゲーム 巨人4―6マリナーズ(17日・東京ドーム)

 今村は自分を貫いた。イチローとの初対戦は2回無死一、二塁だった。大観衆が快音を望む独特の空気の中、直球勝負を選んだ。「こねくり回すとかよりも、ストレート一本でスーパースターと勝負したいというのが本音です」。6球全てストレートで真っ向勝負。低めの直球で中飛で封じた。

 制球が乱れるなど、決して調子がいいとは言えない状態だったが、緩急を使った投球でマリナーズ打線に粘投。4回1死一塁で2度目のイチローとの対戦も、3球全て直球。最後は外角直球で二ゴロで抑えた。5回5安打1失点2四球、6K。「緊張しましたけど、腕を振って投げるしかないと。いい経験をさせていただきました」とほほ笑んだ。

 今季、巨人の投手陣は相手の得点圏打率を下げるという目標を掲げている。昨季は2割5分9厘で、セ6球団の投手陣では一番低かった。だが、実際は菅野が1割8分6厘と、セ規定投球回以上の9投手中でトップ。他の投手陣は計2割7分1厘と、打ち込まれるケースが目立った。

 今村も昨季は2割7分5厘と苦戦。だが、この日は100球を要しながらも1失点と粘った。ローテを争う田口と同日登板。若手左腕バトルにも食らい付き、チャンスを逃さなかった。宮本投手総合コーチは「粘りの投球ができている。彼はどこか一角に入ってくる選手」と開幕ローテ入りを示唆した。

 新人時代から今村を知る原監督は「私のいない3年間で、非常に成長した一人。今日のような大舞台、メジャーリーガーを相手にして戦ったというのはジャイアンツにとっても、彼にとっても大きなキャリアとして残る」と賛辞を贈った。

 プロ8年目。1月下旬には結婚し、今月15日には25歳になった。「今日のような試合で大量失点しないのは、少し成長したかな。粘りの投球ができるように」と今村。2週間後の開幕を見据えた。(玉寄 穂波)

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