【巨人】田中俊、サイ・ヤング賞投手から2点二塁打「タイミングが合いました」

スポーツ報知
4回1死満塁、田中俊が左中間へ2点二塁打を放つ(投手・ヘルナンデス=カメラ・生澤 英里香)

◆プレシーズンゲーム 巨人5―6マリナーズ(18日・東京ドーム)

 一振りで仕留めた。巨人の背番号51・田中俊が、同じ番号の筆頭格でもあるマリナーズ・イチローに負けじと見せ場をつくった。2点を追う4回。先頭の丸から3連打で1点を返し、なおも1死満塁。メジャー通算168勝を挙げ、サイ・ヤング賞の経験もある「キング」の愛称を持つマリナーズ先発・ヘルナンデスから一時逆転となる2点二塁打を放った。「いい投手なので、向かっていく気持ちでいった。振りにいく中でタイミングが合いました」と振り返った。

 巧打を武器に、三塁レギュラー争いに殴り込みをかけた。春季キャンプの実戦から一、三塁は中島、ビヤヌエバ、岡本による争いだった。しかし、ビヤヌエバはオープン戦打率1割6分7厘と苦しんでいたことに加え、首の寝違いでマリナーズ2連戦を欠場し、20日の日本ハム戦、21日の西武戦にも帯同せずG球場で調整することが決まった。そうした状況で今季初の三塁起用に応えた俊太について、原監督も「今日の収穫は田中俊太をサードで起用したこと。彼の打撃は非常にインパクトのある1打席になったと思います」と評価した。

 さらに、俊太がスタメンで出ることで、右偏重だった下位打線に左打者を加えられるメリットもある。6回には二盗も決め、2度の守備機会も無難にこなした。開幕まで残り10日という状況でスタメン候補に急浮上し、俊太も「準備をした中で少しずつチャンスをつかみたい」。指揮官も「彼がラインアップに入ると走力が上がる。守備力も上がるという点においては座り、景色という部分でも非常にいいなと映りました」とうなずいた。

 夢のような時間も力に変えた。前日(17日)の試合前には一塁ベンチでイチローの打撃練習を食い入るように見つめた。「練習から憧れの目線で見ていた。同じグラウンドでプレーできたことはいい経験になりました」。貴重な2日間を経て、俊太が開幕スタメンへのアピールを加速させる。(後藤 亮太)

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