【巨人】大江、メジャーも斬った 11回2/3連続無失点

スポーツ報知
先発した大江は、2回無失点の好投を見せた(カメラ・橋口 真)

◆プレシーズンゲーム 巨人5―6マリナーズ(18日・東京ドーム)

 巨人の大江がマリナーズ相手に快投した。先発した20歳の左腕。初回先頭打者に、今季実戦登板30人目にして初めての安打を許したが、2イニングで得点を許さず。連続無失点を11回2/3まで伸ばした。9回を救援投手だけでつなぐ「ブルペンデー」で臨んだこの試合。同点の8回に中川がフレイタスに勝ち越しソロを浴び、連敗となった。

 大江は高ぶる気持ちを抑えた。初回2死一、三塁。一打で先制点を許す場面だったが、冷静に低めのスライダーで前夜(17日)猛打賞と暴れたサンタナを左飛で抑えた。ホッと胸をなで下ろし、ベンチ前で頭を下げながら、先輩たちを笑顔で出迎えた。

 試合前まで2月3日の1軍対2軍戦(サンマリン宮崎)から打者29人に対して無安打無失点と“完全投球”。この日は初回に1番のゴードンにいきなり左翼フェンス直撃の二塁打を浴び、無安打は止まったが、得点は許さなかった。

 最速139キロの直球を中心にストライク先行で追い込んだ。打者8人に対し初球ボールは1人だけ。2イニング25球、1安打無失点とし「すごく緊張しました。メジャーの打者はスイングが速くて、甘い球を見逃してくれない。すごくいい経験になりました」。これで春季キャンプから実戦計8試合、11回2/3を無失点と絶好調だ。

 憧れのヒーローに胸を躍らせた。大江が生まれた99年、すでにイチローは日本球界でスターだった。物心付いた時はメジャーリーガーで、周囲の野球をしている友達はイチローモデルのグラブを使用。大江は下敷きを持っていた。「対戦したかったです」と、野球少年のような表情で話した。

 この日の「ブルペンデー」では、1番手を託された。首脳陣は今季の投手陣で、2パターンの勝利の方程式をつくることを目標にしている。経験のある吉川光、クックの他に、桜井、戸根らの若手も候補に挙がる。

 前回登板した12日のソフトバンク戦(北九州)で大江は1回を完全に抑え、左のセットアッパーに当確済み。若手投手陣の中でも高い位置にいる。メジャーリーガー相手にも結果を残し、実力を見せつけた。

 原監督は「野球の中で先発投手は花形で、誰もが憧れる。だが、今シーズン彼はセットアッパーで大きな役割を持って入ってもらう。ゆくゆくは先発になるでしょう。まだ弱冠20歳という中で堂々たるピッチングは見事だった」と、最高の褒め言葉を贈った。

 最後に「頑張ります」と力強く言い切った大江。この勢いのまま開幕戦まで突っ走る。(玉寄 穂波)

 ◆ブルペンデー 救援投手を先発させ、2番手に先発が長く投げるケースは“オープナー”と呼ぶが、救援投手をズラリ小刻みに起用するケースは“ブルペンデー”と言う。メジャーで特徴的だったのは、昨年9月24日のヤンキースだ。先発の谷間となったレイズ戦で3番手のグレイだけが2イニングを投げ他の7人が1イニングずつと計8人をつないで4―1で快勝した。

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