【巨人】上原「死ぬ時が引退する時だと思っていた」イチローへの思い激白

スポーツ報知
2006年3月、「ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」の初代王者に輝いた日本代表のイチロー外野手(左、マリナーズ)が上原浩治投手(右、巨人)と談笑。世界一決定から一夜明け、宿舎となった米カリフォルニア州・サンディエゴ市内のホテルで帰国前の記者会見に臨んだ

 「死ぬ時が引退する時だと思っていたのに―」。日本球界最年長投手である巨人の上原浩治投手(43)が、引退を表明したイチローへの思いを、スポーツ報知に独占激白した。

◆99年の球宴で初対戦

 年月って、やっぱりたってるんだなぁって思う。イチローさんの口から「引退」という言葉を聞いたら、そんな思いになる。

 だって、そうでしょ? 誰もがあの人が引退するとは思ってないわけだし。死ぬ時が引退する時、って人でしょ。それぐらいの雰囲気を持ってるやん。

 「すげえな」。それが一番、イチローさんに当てはまる言葉。何がすごいって、全然離脱しないところ。そして4000本打った。あの人は超一流なんだよ。そう考えると、けがばかりで、勝利数(134勝)もセーブ数(128セーブ)も全部中途半端なオレは二流だね。

 初対戦が忘れられない。オレはプロを目指してた選手じゃなかったから、イチローさんのことは、ただただ「すごい人やな」と思ってたわけで。それが対戦だからね。99年の球宴、フォークをホームランされた。思い出すといまだに思う。キャッチャーのサインに首振らずに、内角のストレート投げときゃ良かったな、と。

 06年のWBCで韓国に負けた時、イチローさんがベンチで「F××K」って叫んでね。「この人もこんなふうに感情を表に出す時があるんだ」って思った。日の丸を背負うということの重みを、あの時のあの姿で、改めて教えてもらった。

 「お疲れさまでした」なんだろうけど…何年やっとんねん、って話だから、そりゃ、お疲れさまはお疲れさま。でも「メシ連れてってください」って、言いたいな。でも今掛ける言葉がこれだったら、WBCのシャンパンファイトで口に含んだシャンパンを顔に吹きつけた時みたいに、怒られるな。「人として欠陥がある。先輩を敬え!」って(笑い)。

(上原 浩治=巨人投手)

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