【巨人】原監督、引退のイチローにねぎらい「迷うことなく道を進む強さは尊敬するところ」

スポーツ報知
激励会であいさつする原監督(手前=代表撮影)

 巨人の原辰徳監督(60)が22日、現役引退を表明したイチローにねぎらいの言葉を贈った。09年ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で監督、選手として世界一。大会中、本来の打撃ができない中、決勝戦で試合を決める一打を放ち、試合後に大喜びした姿を回想した。「迷うことなく道を進む強さは尊敬するところ」と敬意を示した。

 俊敏な動き、華麗な守備を見たばかりだった。それだけに、原監督はイチローの現役引退発表に驚いた。

 「現実的にやはり来るんだな。来てしまったなと。少しビックリしたというのが正直なところですね」

 巨人とマリナーズは17、18日に東京Dでプレシーズンゲームを戦った。久しぶりにイチローと対面し「あの年齢でも守備力、走力ともに衰えていないところに彼のすごさを感じた」と激励の言葉を送っていた。だが、メジャー開幕2連戦では計5打数無安打だった。

 「3000本、4000本とヒットを打った人が最後、東京ドームで数多くのヒットを打ちたいと思ったと思います。しかし一本も出なかったと。やはり野球というのは難しいスポーツであると。野球の素晴らしさ、バッティングの難しさを改めて感じました」

 09年WBCでは監督、選手として世界一。一緒に戦う中で、野球人・イチローのすごさを感じた。

 「野球に対する取り組む姿勢。これは誰よりも早くグラウンドに来て、誰よりも遅くグラウンドにいたと。それぐらい野球にどっぷりつかった形でね。自分のメンテナンスを含め、道具を大切にする姿とかですね」

 大会序盤からイチロー本来の力を発揮できず苦戦。それでも原監督は信じて起用し続けた。決勝戦の韓国戦、同点の延長10回に決勝の中前2点適時打。世界一に輝き、試合後のシャンパンファイトで大喜びする姿が忘れられないという。

 「懸命に戦って、やや苦しんでいる姿も非常に印象に残っています。しかし最後、彼が決めて世界一になった。彼の喜びよう、無邪気に、もうそのギャップというんでしょうか。厳しさと歓喜の姿というのが非常に印象に残っています」

 前人未到の日米通算4367安打。数々の偉大な記録を打ち立てたレジェンドに最大限の敬意を表した。

 「迷うことなく一直線に全て進んだということではないでしょうか。いろんな道があったと思いますが、自信を持って進む強さは、尊敬するところです」

 今後、新たな目標に向かって突き進み、活躍することを期待し「ご苦労さまでした」とねぎらいの言葉を贈った。(片岡 優帆)

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