【巨人】原監督、開幕が100ではない スタメン固執せず全員で成長

スポーツ報知
4回1死一塁、2ランを放ったビヤヌエバ〈33〉を迎える原監督(カメラ・清水 武)

◆オープン戦 巨人6―4ロッテ(24日・東京ドーム)

 脱いだ帽子を高々と掲げた。原監督は晴れ晴れとした表情で、4万6783人の大観衆の声援に応えた。平成最後のオープン戦に競り勝って10勝6敗、セ・リーグ2番目となる4位で終えた。「(開幕までに)でき得る準備は、ほぼほぼ、やった感はあります」。12球団トップの19本塁打、盗塁数も同6位タイの12個。破壊力と機動力をかみ合わせた攻撃に自信を深め、シーズン開幕へ態勢を整えた。

 指揮官も“本番モード”に突入した。5回表が始まる前だった。球審に4番手・宮国の投入を告げると、新しいボールを受け取り、右腕をグラウンドで待ち受けた。白球を直接渡し、ゲキを飛ばした。「君は自分の役割もキャリアも持ってるんだ。頼むぜ」。4回表に逆転を許したが、その裏にビヤヌエバの来日1号2ランで追いついたばかり。不安定な試合の流れを引き寄せてほしかった。指揮官の願いに宮国は応え、2回を完全に抑えた。勝負所を熟知した名将ならではの行動で、試合を動かした。

 打順に目を移せば、この日の1番から7番までが、開幕スタメンが有力になりそうだ。頭を悩ませ、最後の最後に“理想”を曲げたのは捕手に関してだった。阿部はまだ左ふくらはぎの状態に注意を払う必要があり、開幕後も現状では代打の切り札として待機するため、開幕は小林、炭谷、大城の3人態勢で臨む。キャンプ時から「理想は(レギュラー捕手を)固定したい」と言っていたが、その3者を臨機応変に起用する形で、序盤は臨むことを決めた。

 「三者三様、非常に強い個性、技術を持った3人。コンディションを見ながら、当初は、併用という言葉が当てはまるか分からないけど、3人で力を合わせて守ってもらうという形になる」

 重視する5番打者についても亀井のほかに陽、ビヤヌエバ、中島らも候補に挙げる。セットアッパーも7回は大江、桜井、戸根、宮国らを臨機応変に起用する見込み。現状でまだ固定しきれていない部分は残るが、そもそも、開幕に全ての形を決めるつもりはなかった。

 「捕手と同じで徐々に固まっていき、何月になるか分からないが100という数字を目指していけばいい。長いペナントレース、全員の力が必要。あえて(開幕から)9人というメンバーに固執する必要はない」

 “チームは生き物”が指揮官の信条。時を経るにつれ、右肩上がりの成長を続ける集団になれる。そんな期待感に満ちた陣容が整った。(西村 茂展)

巨人

×