【巨人】丸、開幕予行弾「流れに乗って」29日古巣・広島撃ちだ

スポーツ報知
7回2死、左中間にオープン戦1号となるソロ本塁打を放つ丸(投手は東條=カメラ・中島 傑)

◆オープン戦 巨人6―4ロッテ(24日・東京ドーム)

 巨人がロッテに競り勝ち、10勝6敗の4位でオープン戦全日程を終えた。2回、陽岱鋼が右中間へ日本ハム・大田とトップで並ぶ3試合連続の5号ソロを放つと、4回に外国人枠を争うビヤヌエバが左中間へ待望の1号同点2ラン。7回には丸が左翼へ移籍後初本塁打となるソロを運び、新天地で迎える開幕戦に向けて万全の仕上がりをアピールした。公式戦は29日にセ・パ同時開幕する。

 超満員に膨れ上がったスタンドの大歓声を全身で受け止めた。オレンジタオルが揺れる中、丸は弾むようにダイヤモンドを駆け抜けた。「最後の最後でいいスイングができた。結構盛り上がってくれたのでよかったと思います」。仲間から出迎えを受け、ベンチに腰を下ろすと笑みがこぼれた。

 巨人移籍後初本塁打が生まれたのは、坂本勇の犠飛で1点を勝ち越した直後の7回2死。フルカウントから東條の外角高め直球を逆方向となる左翼席最前列まで運んだ。「(バットの)先でしたけど、うまいことバットに乗っかっている感覚はあった」。平成最後となるオープン戦、最後の打席を一発で締めくくった。

 守備でも光った。2回2死一塁。藤岡の右中間寄りの打球に猛チャージをかけ、最後はスライディングしながら地面スレスレでグラブに収めた。「距離感的に難しいところがあったので、最後は滑っちゃった方がちゃんと捕れるかな」。東京Dでは、天井からの日差しが透けるデーゲームはまぶしさを感じるというが、そこは6年連続ゴールデン・グラブ賞を受賞している名手。ビッグプレーでベンチへ戻ると、阿部が手でマルのポーズを作って迎えてくれた。

 春季キャンプでの地道な取り組みが、オープン戦での好成績につながっている。特打中、丸は1球1球、捕手役を務めるスタッフにボールのコースと高低、ストライクかボールかなどを確認していた。スタッフが「こんなに話し掛けられたのは初めて」と驚くほどだった。

 常に「打つべく球をいかに1球で仕留められるか」と話しているが、入念な準備があるからこそオープン戦打率3割1分1厘、出塁率3割9分2厘という結果にも表れるのだろう。

 試合前には23日の試合で1試合2本塁打を放った陽の体を触り、その手で自分の体にパワーを注入するシーンもあった。オープン戦の入場者を実数発表し始めた06年以降では、最多記録を更新する4万6783人を集めた一戦で主役を演じ「この流れに乗ってシーズンに入っていけたら」とうなずいた。

 今後4日間の調整期間を経て、古巣・広島との開幕戦(29日・マツダ)を迎える。「自分の中で意識していることを、練習から意識しながらやっていけたら。あとは今までやってきたことを信じて臨むだけです」。普段通りの力を見せることが、チームの勝利につながっていく。(後藤 亮太)

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