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巨人・ヤングマンが日本で学んだ「低め」の大切さ 来季は東京DでYMCA

2018年11月15日18時19分  スポーツ報知
  • 日本で「低め」の大切さを学んだヤングマン

 巨人のテイラー・ヤングマン投手(28)の来季残留が14日、発表された。

 大リーグ・ブルワーズから来日1年目、登録名が「ヤングマン」という縁から、西城秀樹さんの「YOUNG MAN (Y.M.C.A.)」を本拠地球場の登場曲に設定。来日直後に自ら動画サイトで西城さんの日本語バージョンを検索してチェックし「いいメロディーだ」と即決した。

 外国人枠の関係もあって開幕から2軍。それでも、日本野球の良さを吸収しようと貪欲に取り組んだ。「スガノ、ヤマグチ、グッドピッチャー」といつも口にしていた。同じ右投手で刺激を受けたのだろう。通訳を通して菅野、山口俊から学ぶこととして「彼らを見ていると低めに投げることの大切さを感じる。日本の打者はバットに当てるのがうまい。自分は三振を多く取るタイプではない。低めにコントロールしてゴロを打たせる投球をしていかないといけない」と言い聞かせるように話していた。

 身長198センチ。高校2年まで野球と並行してバスケットボールもやっていて、足の大きさは34センチ。長身から投げ下ろす縦の大きなカーブが武器で、ファームのブルペンでは低めを徹底して練習していた。

 7月1日の中日戦(ナゴヤD)で8回無失点で来日初登板初勝利。同9日のヤクルト戦(静岡)、17日の阪神戦(甲子園)でも白星を挙げ、デビューから3戦3勝と躍進した。今季4試合目の先発となった7月25日のヤクルト戦(京セラD大阪)はホームゲーム。「Y.M.C.A.」のメロディーが試合前に流れて盛り上がった。だが、打球が左手直撃。気迫で続投も試合後に骨折と診断され、登録抹消となった。

 グラブをはめる左手のため、捕球できない日々。G球場で約1か月の地道なリハビリ生活を送った。モヤモヤした気持ちを晴らそうと、休日には妻のブリタニーさんと二人で山梨・甲府に旅行した。JR、路線バスを乗り継いで滝の名所をまわり「素晴らしい滝だった。とても楽しいハイキングでした」と気分転換した。

 9月にファームで実戦復帰。「リハビリ生活は、野球人生で経験したことがないつまらない時間でした。やっぱり自分はマウンドで戦うことが好き」とうれしそうな笑顔だった。ケガは野球をできる喜びを再確認できた貴重な時間だったと前向きに話した。

 首脳陣は10月のポストシーズンで「秘密兵器」として期待。CS最終S・広島戦(マツダ)は出場選手登録されなかったが、1軍練習に帯同。「チャンスをもらえたらチームに貢献できるように頑張りたい。日本シリーズまで進んで、もし東京ドームで投げるチャンスをもらえたら、あの曲を球場で流すことができる。楽しみにして頑張ります」と準備した。登板機会はなかったが「1年間素晴らしい経験ができました」と充実の1年目を振り返った。

 来日直後から日本のさまざまな観光名所に足を運んで異文化吸収にも積極的だった。寺院や神社巡りが好きで「妻も私も日本の美しい街並みを気に入っています。日本が大好き。日本で成功したい」と話していたヤングマン。日本野球を吸収しようとする姿はマイコラスと重なる部分もある。

 今年はオープン戦、1軍公式戦で東京Dの登板はなかった。日本で学んだ投球術をオフに磨き、来年は東京Dで「Y.M.C.A.」を流して開幕からフル回転してくれるだろう。

(記者コラム・片岡 優帆)

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