【日本Ｓ主役は初Ｖ男】〈４〉秋吉翔太、代名詞１８番でバーディー奪う

◆秋吉翔太（初出場）２８歳、ホームテック＝ミズノオープン、ダンロップ・スリクソン福島オープン優勝

　秋吉は、ずぶぬれになっても満面の笑みを浮かべた。ミズノオープンでは３打差６位から７０で回って逆転優勝。１位通過を果たした５月２１日の全米オープン最終予選に続き、同大会の優勝で全英オープンの出場権も獲得した。１週間で２枚の海外メジャー切符を手にして味わったウォーターシャワーに「寒いですけど、優勝しないと味わえないので最高です」。

　１７５センチ、８５キロ。ずんぐりむっくりした体形で、出身地・熊本の人気キャラクター・くまモン似だ。ボールやバッグには、くまモンのロゴを入れる。１６年４月、故郷は震災で甚大な被害を受けた。父の卓さんは熊本市消防局に勤務しており、震災直後から地域のために働いてきた。自らも「被災地に勇気を」という思いを抱きツアーで戦ってきた。

　何もかもが夢だった場所に、ようやくたどり着いた。「ずっと、日本シリーズＪＴカップに出たいと思っていました。全員がおそろいのダウンを着て、開会式に出席しますよね。そういう試合は他にないじゃないですか。（ツアーで）唯一のお祭りという感じ」

　目標は１８番でバーディーを奪うこと。「１８番は東京よみうりの代名詞でもある。あそこでバーディーを奪ってみたい」。くまモンと同様、堂々と大観衆の声援に応える。（高橋　宏磁）

　◆秋吉　翔太（あきよし・しょうた）１９９０年７月２２日、熊本県生まれ。２８歳。１０歳からゴルフを始め、鹿児島・樟南高では２００８年国体少年男子個人で松山英樹を抑えて優勝。１４、１５年と下部ツアーで計３勝。昨年は賞金ランク４３位で初の賞金シードを獲得。今季はミズノオープンで初優勝。ツアー通算２勝。１７５センチ、８５キロ。家族は妻と１男。