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33歳で早大1年生 女子プロゴルファーとの“二刀流”に挑む馬場由美子の現在地

2018年7月21日12時0分  スポーツ報知
  • 日本女子プロゴルフ選手権コニカミノルタ杯の予選会を突破し、笑顔を見せる馬場(日本女子プロゴルフ協会提供)
  • 姉のゆかり(右)と記念撮影に応じる馬場由美子(2013年)

 照りつける太陽の下で、柔和な笑みが輝いていた。33歳の馬場由美子はラウンド後、白い歯を見せて写真撮影に応じた。7月19日に富山・小杉CCで行われた日本女子プロゴルフ選手権コニカミノルタ杯の予選会。馬場は4アンダー68をマーク。トップと1打差の2位の好成績で、参加者67選手のうち上位7選手に与えられる同選手権の出場権を得た。

 同選手権は日本女子プロゴルフツアーのメジャー大会。「女子プロ日本一」を決める大舞台だ。33歳が同大会の出場権を得たのは、2009年以来9年ぶり2回目のことだ。「前半はパーを拾う感じのゴルフで37だった。後半になって暑さの中、無欲で4連続バーディーを含む31で回れたので良かった」と喜びをかみ締めた。

 多忙な日々を過ごしながら、本戦の切符をつかみ取った。女子プロゴルファー、馬場ゆかりの妹である由美子は昨年、早大人間科学部を受験し合格。4月から女子大生として学んでいる。「プロを辞めるつもりはない」と、ゴルフの練習や筋トレをこなしながら、勉学に励む毎日だ。ほぼ毎週、頭を悩ませているのが課題の提出。早大の授業は、当たり前だが簡単ではない。「確かに大変ですけど、1日の時間が限られているから時間配分をきちんと考えるようになった」。自分で時間割を作って、1日を無駄なく過ごせるよう工夫しているという。

 久留米信愛女学院高を卒業後の05年、日本女子プロゴルフ協会のプロテストに合格。以来、女子ツアーを転戦してきた由美子が、大学で学ぶのは初めてだ。「もともと大学に行きたかった」という気持ちを持ちながら、30歳を過ぎてから進学を決断したのには、理由がある。

 「アスリートはセカンドキャリアで成功している方が少ない。プロが終わってからのことを考えました。アマチュアの方で、プロゴルファーとゴルフをしたい人はたくさんいる。他の競技でも、プロと触れ合いたい人はたくさんいると思います。プロで活躍した人が、第二の人生でも活躍できる場を提供したいと思いました。それを実現するためにも、まずは勉強がしたいと」。

 05年にプロ転向し、ツアーでの生涯獲得賞金は1279万6684円(7月21日時点)。女子プロとしては決して多い金額とは言えない。だが一昨年頃に大学進学を決意してから、自分で学費を払えるよう貯金してきたという。「学費は安くはないです。でもいつまで生きられるか分からない。『やりたい』と思った時に、行動に移さないといけないと思って」。

 早大進学後、ツアーのメジャー大会の出場権を獲得したのは今回が初めて。それは、プロとしては小さな一歩かもしれない。ただ人生のほろ苦い機微を味わいながら、懸命に毎日を生きる彼女にとっては、非常に意味のある一歩だ。(記者コラム・高橋宏磁)

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