•  スポーツ報知のWebサイト限定コラムがスタートしました。最前線で取材する記者が、紙面では書き切れなかった裏話や、今話題となっている旬な出来事を深く掘り下げてお届けします。皆さんを「ほーっ!」とうならせるようなコラムを目指して日々配信しますので、どうぞお楽しみください。

【武藤一彦 王者の系譜】2勝目を挙げてもらいたい理由がある

2018年12月2日7時0分  スポーツ報知
  • 8番、バーディーパットを外し悔しがる石川遼(カメラ・竜田 卓)

 ◆報知新聞社主催男子プロゴルフツアー今季最終戦日本シリーズJTカップ第3日(1日、東京よみうりCC=7023ヤード、パー70)

 アジア初のメジャー王者・ヤンを追って今平、石川が逆転を狙った最終組は意外な展開を見せた。今平が1、3番とバーディーを奪い首位に肉薄したが、インの連続ボギーで後退。石川は11番のボギーが命取り。バーディーパットが一つも入らず残り17ホール全てパー。そろって5位に後退した。

 石川はここ2年優勝がなく、勝てば復活への足がかりになる。今平はメジャー初優勝で26歳の若き賞金王の誕生と、男子ツアーが沸き返る。幸い、首位との差は3打とスタート時より1打縮まったのは運がいい。最終日は、何が何でも頑張ってもらわなければならない。中でも賞金王を99%手中に入れた今平には、ぜひ2勝目を挙げてもらいたい。こんな理由からだ。

 米ツアー通算19勝のトム・カイト(米国)は、世界殿堂入りも果たした名選手。172センチ、69キロで眼鏡をかけた苦労人はデビュー後8年で2勝。9年目の1981年、賞金王になった。だがその年、優勝は1回だけ。すると「たった1勝、こんな貧弱なキングは初めてだ」と嘲笑されたのだ。89年に2度目の賞金王になった時は3勝を挙げ139万ドルを獲得と、米ツアー史上初の100万ドル突破を果たした。だがこの時は「賞金が高いと頑張る守銭奴。まだ全米オープンにも勝っていないではないか」と言われた。

 カイトは述懐する。「世間の評価が賞金王かメジャータイトルかで分かれるのは勝手だが、結局のところ、それを認めたくないための理由を探しているのではないか。92年に私が全米オープンに勝ったら、まだ全英オープン、全米プロも取っていないと言われたものだ。これはいったい何なのだろう」

 日本シリーズは、そんな狭量ではない。今平にはメジャータイトルと賞金王の2冠を。石川には華やかなキャリアに輝きを加える大会2勝目を。最終戦の最終日を2人にささげたい。(ゴルフジャーナリスト)

ゴルフコラム
注目トピック