【8日・中京5R新馬戦】昨年ワグネリアンが勝った中京2000メートルに素質馬ズラリ!伝説の新馬戦になるか?

スポーツ報知
8日中京5Rでデビューするトーセンカンビーナ(手前)

 日本ダービー馬が今年もここから誕生か―。8日の中京5R新馬(芝2000メートル)で、高額&良血の牡馬3頭、トーセンカンビーナ、ダノンチェイサー、ブラヴァスが激突する。今年の3歳馬の頂点に立ったワグネリアンが昨年の同時期、勝ち名乗りを上げたのがこの舞台。“伝説”となりそうな戦いに注目だ。

 ◆セールで2億3000万円トーセンカンビーナ

 トーセンカンビーナで臨む角居厩舎の辻野助手は、期待を隠さなかった。「素軽くて、追えば追うほど伸びる感じ。乗り手の指示に従順で、馬体を見ても伸びしろがありそう。動ける態勢です」。先週の栗東・CWコースでラスト1ハロン12秒0。今週は同坂路を54秒2―12秒6で整え、納得の表情を浮かべた。

 母カンビーナはアメリカンオークスを勝った米G1馬で、16年のセレクト当歳セールで2億3000万円(税抜き)の高値がついた良血だ。負けられない理由はそれだけでない。同じ昨夏の中京・芝2000メートルの新馬で、厩舎の期待馬ヘンリーバローズが後のダービー馬ワグネリアンに鼻差で敗れた。この僚馬は未勝利勝ち後、体調不良で長期休養中と明暗が分かれた。くしくも、同じ友道厩舎の素質馬が初戦の相手となる。

 「現時点の完成度でいい競馬をできるようなら、先が楽しみになります」と辻野助手。雪辱を果たし、スターダムにのし上がる。(宮崎 尚行)

 ◆セールで2億5000万円ダノンチェイサー

 昨年のセレクト1歳セールで2億5000万円(税抜き)の高値がついたダノンチェイサー。母サミターは愛1000ギニーなどG1・2勝で「マイルから2000メートルくらいが良さそうだが、将来的には2400メートルもこなしてほしい」。池江調教師がクラシックディスタンスを意識する器だ。

 今週の栗東・CWコースを6ハロン82秒7、ラスト1ハロン11秒7で追走先着。動きも期待に沿うものだ。「体高が低く、馬体に幅があって重心が低い。気性が前向きすぎるところがあるけど、スピードがあると思う。初戦からいい競馬をしてほしい」。西が誇る名門厩舎が今年も世代の主役を見据える。

 ◆ヴィルシーナ初子ブラヴァス

 ブラヴァスはG1・2勝馬ヴィルシーナの初子で、叔父シュヴァルグラン、叔母ヴィブロスもG1馬。馬主はもちろん大魔神の佐々木主浩氏だ。「お母さんとは見た目、性格とも似ていない。父のキングカメハメハに似ている。顔がかわいい」と、友道調教師は厩舎を代表する血統馬に目尻を下げる。

 先週の栗東・CWコースで6ハロン80秒8、ラスト1ハロン11秒9。水準以上の動きで素質を示している。「能力はあると思うけど、この血統、新馬が得意ではない。先々は走ってきそうな感じはある」。トレーナーは慎重だが、想像を超える走りを見せるのが血のなせる業だ。

 ◆17年7月16日・中京5R新馬(芝2000メートル)VTR 1番人気は単勝1・7倍のヘンリーバローズ。同4倍で2番人気のワグネリアンは道中、同馬をマークする形で4、5番手で折り合うと、4角から仕掛けてヘンリーと壮絶な叩き合い。最後は外から鼻差かわしてゴールした。3着に5馬身差をつける一騎打ちだった。

 ◆伝説の新馬戦 08年10月26日に京都1800メートルで行われた新馬戦は、上位馬の後の活躍から「伝説」と呼ばれた。1着のアンライバルドは皐月賞を制覇。出世頭は3着のブエナビスタで、G1・6勝の名牝となった。2着のリーチザクラウンは日本ダービーで2着になり、4着のスリーロールスは菊花賞を制した。5着のエーシンビートロンも地方交流重賞を勝っている。

競馬

×