【函館記念】藤岡佑が会心騎乗 7歳エアアンセム、5度目挑戦で重賞初V

スポーツ報知
重賞初Vを飾ったエアアンセム(左)。藤岡佑はステッキを振り上げ喜びを表現した(手前は2着サクラアンプルール)

◆第54回函館記念・G3(15日・芝2000メートル、函館競馬場、良)

 サマー2000シリーズ第2戦、第54回函館記念・G3は15日、函館競馬場で行われた。5番人気の7歳馬エアアンセムが、勢いに乗る鞍上の藤岡佑に導かれて直線で抜け出し、5年がかりの5度目の挑戦で重賞初制覇。13年にG1昇格前のホープフルSをデビュー2連勝で制した素質馬が、長期休養などの苦節を経て念願のタイトルへたどり着いた。

 津軽海峡を望むターフに、G1ジョッキーの笑顔が映える。ロスのないインの絶好ポジションへ、藤岡佑は巧みにエアアンセムをエスコートした。道中は4番手でリズムを守り、残り100メートルで先頭へ。完璧な騎乗できっちりと半馬身、しのぎ切った。

 「いい枠をもらって、スタートも決まったのが勝因ですね。3~4角の手応えは抜群」と鞍上は会心の勝利を振り返る。前走のエプソムC(5着)では道中で位置を下げ、オーナーから叱られたという。「このレースなら褒めていただけるんじゃないですか」と誇らしげに胸を張った。

 NHKマイルC(ケイアイノーテック)で悲願のJRA・G1初制覇を成し遂げ、余勢を駆って臨んだ夏競馬。6月24日に函館でJRA通算700勝に到達するなど、勢いは衰え知らずだ。「(函館)リーディング(11勝=1位と3勝差)も食らいついている。もう1週頑張りたい」。16日には、函館競馬場で子ども向けの乗馬イベントを行う。少年少女へ夢を与える勝利に、笑みは絶えない。

 2歳時には新馬、ホープフルSを連勝した素質馬。吉村調教師は4歳の転厩時から、「肉体的なポテンシャルは高い」と可能性を見いだしていた。屈腱炎で1年の休養を経験するなど、苦労の末につかんだタイトルだ。「馬はまだ若い。距離は1800から2000メートルくらいがいい」。今後は秋に備える公算が大。能力を開花させた古豪が、中距離路線で台風の目となる。(豊島 俊介)

 ◆エアアンセム 父シンボリクリスエス、母エアマグダラ(父サンデーサイレンス)。栗東・吉村圭司厩舎所属の牡7歳。北海道千歳市・社台ファームの生産。通算成績は27戦5勝。総収得賞金は1億6991万8000円。重賞初勝利。馬主は(株)ラッキーフィールド。

 <トリコロールブルー1番人気も…スムーズさ欠いて6着>

 鳴尾記念(3着)の走りも評価されて1番人気に支持されたが、勝負どころでスムーズさを欠いて6着。ルメールは「4角でスペースがなくなってしまった。直線はいい反応をしてくれたけど、遅かったね」と敗因を指摘。今後は休養に入り、秋に備える方針だ。

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