【函館2歳S】重賞初挑戦の田中博調教師、騎手時代の仲間との絆で勝利目指す!

スポーツ報知
迫力あるフォームで先着したホールドユアハンド(左)

◆函館2歳S追い切り(19日・函館競馬場)

 今年最初のJRA2歳重賞、第50回函館2歳S・G3(22日)に出走するホールドユアハンドが19日、函館競馬場のWコースで追い切られ、古馬を4馬身追走して馬なりで1馬身先着した。3月に開業したばかりの元G1ジョッキー・田中博康調教師(32)=美浦=は、調教でも本番でも騎手時代の頼もしい仲間から後押しを受け、初挑戦での重賞Vを目指す。

 「絆」が凝縮された新米トレーナーの重賞初挑戦。ホールドユアハンドの最終追いは北村友に託された。「(騎手時代の)同期。やはり現役ジョッキーは引き出しが多いので」と田中博調教師。本番で騎乗するルメールがこの日乗れなくなり、急きょ実現した同期タッグだ。

 函館・Wコースでフォーハンドレッド(4歳500万)を4馬身追走。道中は上々の行きっぷりを見せ、直線は無理なく1馬身抜け出してきた。5ハロン69秒8―13秒0。「反応を見る感じ。雰囲気は良かったですよ。こうして頼んでもらえたのはうれしい。応援したい」。レース当日に中京へ遠征する北村友は、純粋な気持ちでエールを送った。

 見守った指揮官も納得の表情。「13日に到着。輸送を挟んでいますからね。でも、変わらずの感じで良かった。カイバも落ちていない。馬体重は前走(462キロ)と同じか、増えるかも」と頼もしげに愛馬を見つめる。騎手時代からお世話になっているオーナーにプレゼントされた仕上がり早の2歳馬。「入厩時から完成度は高かった」と、ここは狙っていた一戦だ。

 田中博師は09年のエリザベス女王杯(クィーンスプマンテ)など重賞3勝を挙げた元騎手。腕を磨くべくフランスに滞在(11年)した際には、ルメールの自宅を何度も訪れ、木馬に乗るなど交流を深めたという。厩舎の馬には今回が初騎乗。「一流騎手に、何も注文はありません」。全幅の信頼を胸に、運命の瞬間を待つ。(豊島 俊介)

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