【こちら日高支局です・古谷剛彦】新設「サマープレミアムセール」フェノーメノなど新種牡馬に高い関心

スポーツ報知

 7月17日に行われた「セレクションセール」と並ぶ選抜市場として新設された「サマープレミアムセール」が8月20日、北海道新ひだか町静内の北海道市場で開催された。

 7月は193頭、そして今回は186頭が上場された。選抜にあたっては成長などを考慮し、サマープレミアムには5月生まれの上場馬が目立った。今年は6月下旬から7月上旬にかけて雨が多かったり気温が上がらない日が続いた影響から、思ったような成長曲線を描くことができたか半信半疑な面もあった。しかし、売却総額は17億3383万2000円で、売却率は77・41%。セレクションと比較すると売却総額は約6億1000万円少なく、平均価格も約372万円下回ったものの、売却率は0・2ポイント増と、7月より馬を仕上げるのが難しい時期だったことを考えればまずまずの結果だったと言える。

 最高価格は、ヒラボクウィンの2017(牡、父フェノーメノ)の3000万円(税別)で、宮崎俊也氏が落札した。日高の市場らしく新種牡馬に関心が高く、フェノーメノのみならずトゥザグローリーやキズナ、エピファネイアなども2000万円を超える馬が出た。

 「前半は主取りも目立ったので売却率が心配されましたが、何とかセレクションと変わらない売却率を保ち、選抜市場の意義はあったかと思います。セレクションの方がワンランク上と認識した上で、現状の国内市場の流れを踏まえて、来年以降の運営を考えていきたいと思っています」と、日高軽種馬農業協同組合の木村貢組合長はセールを振り返った。

 課題も見つかった。月曜開催とあって前日展示は日曜に行われたが、札幌記念当日で多くの馬主や生産者が札幌競馬場へ足を運んでおり、天候には恵まれたものの、来場する人はまばらだった。「早く競りが終わったことも含め、当日の午前中に比較展示をすることは十分可能でした。色んな方々からご指摘を受けましたので、来年は日曜の展示を避け、1日でサマープレミアムを行うように考えていきたいと思っています」と木村組合長は話した。

 8月21日からは「サマーセール」(同24日まで)が行われているが、21日も7割を超える売却率を誇った。サマーセールは来週の当欄で振り返る。(競馬ライター)

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