【紫苑S・鈴木孝志調教師インタビュー】カレンシリエージョで鈴木隆司オーナーと重賞V狙う

スポーツ報知
G1切符を狙うカレンシリエージョ。2人のスズキタカシを喜ばせる走りを見せるか

◆第3回紫苑S・G3(9月8日・芝2000メートル、中山競馬場)

 紫苑S(8日、中山、3着までに秋華賞の優先出走権)でG1切符を狙うカレンシリエージョは馬主、トレーナーともに「スズキタカシ」さん。休み明けの前走で2勝目を挙げて臨むトライアルを前に、鈴木孝志調教師(47)=栗東=に、鈴木隆司オーナーとのつながり、重賞初Vにかける思いを聞いた。

 ―紫苑Sに挑むカレンシリエージョは4か月ぶりの前走で2勝目。馬体重は482キロ、春より14キロ増と、大きく成長しての勝利です。

 「体つきが春先とは違っていました。想定内の体重で出走して、無理のない競馬で疲れを残さずに勝つことができました。春はカイバを食べても実にならなかったけど、今は食べたものが実になっている感じです。ハービンジャー産駒は成長力があるなと思います」

 ―トライアルで中山の2000メートルの舞台を選んだ理由は。

 「この距離は2戦とも着外(18年1月京都8着、4月阪神7着)だけど、春とは馬が違うので気にしていません。今回、最後の坂も克服できるのでは。勝ったのが小回りの函館と小倉で、阪神の外回りのローズSよりも紫苑Sの方が合っていると思います」

 ―同馬を所有する鈴木隆司オーナー、管理する鈴木孝志調教師はどちらも読み方が同じスズキ・タカシです。馬を預かることになったきっかけは?

 「平田調教師の紹介で、馬を入れていただけることになりました。漢字は違うけど、名前の読み方が同じというのが、縁の始まりのひとつです。すごく優しいオーナーで、紳士的な方です」

 ―このコンビで初勝利は12年4月15日の阪神500万のカレンデイムーン。以降、カレンコティヤールで3勝、カレンシリエージョで2勝。計6勝を挙げてきました。

 「馬主と調教師が同じ名前というのはなかなかありません。だから初めて勝ったとき、もっと話題になるかと思ったけど、あまり反応がなかったです。でも、W(ダブル)スズキタカシで重賞を勝てば、大きく取り上げてくれるのではないでしょうか。バーンと見出しを飾ることができるレースを、いつか取りたいと思っています」

 ―日本テレビのラルフ鈴木こと鈴木崇司アナウンサー、ボートレーサーの鈴木貴司選手、エステー株式会社CEOの鈴木喬さんなど全国で活躍するスズキタカシさんは数多くいます。この名前について思い出はありますか。

 「『鈴木』はありふれた名前で、『たかし』も全国にたくさんいると思います。でも、『鈴木たかし』は馬主さんに1人だけで、調教師も1人だけですからね。子供の頃はもっと凝った名前の方がいいと親に思っていたけど、大人になったら思わなくなりました」

 ―最後に意気込みを聞かせてください。

 「先週、しっかり追い切っているので、今週は輸送もあるし、息を整える程度で仕上げます。京都の内回りコースは合うと思うので、いい競馬をして秋華賞に行きたいと思っています」(聞き手・内尾 篤嗣)

 ◆鈴木 孝志(すずき・たかし) 1971年4月20日、愛知県生まれ。47歳。栗東・岩元市三厩舎の助手時代には、中山大障害3連覇のポレールを手がける。09年に調教師免許を取得し、10年に栗東で開業。JRA通算136勝。

<鈴木隆司オーナーも意欲> ○…『カレン』の冠名で知られる鈴木隆司オーナーは神戸市灘区の眼科で院長を務める。かつての所有馬には、スプリントG1・2勝のカレンチャン、NHKマイルCを制したカレンブラックヒルがいる。「カレンシリエージョは夏の上り馬ですからね。鈴木調教師が初めて重賞を勝てるよう、そのお手伝いができたら、と思っています」と、鈴木孝師とのタッグでの初タイトルへ意欲を見せていた。

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