【オールカマー 静香が見た】レイデオロ、お目覚め!6か月ぶりでも力出せる

スポーツ報知
休み明けでも目覚めたレイデオロ(左)。ゴーフォザサミットと併入でゴールを駆け抜けた

◆オールカマー追い切り(20日・美浦トレセン)

 オールカマー・G2(23日、中山=1着馬に天皇賞・秋の優先出走権)に出走する昨年の日本ダービー馬レイデオロが20日、美浦トレセンのWコースで最終追い切りを行った。ドバイ・シーマクラシック(4着)以来、6か月ぶりの休み明けでも、鞍上のクリストフ・ルメール騎手(39)=栗東・フリー=は「起きた」と表現。取材にあたった石野静香記者がコラム「見た」で目覚めたダービー馬に迫った。

 追い切りを終えると何重もの輪ができた。「1番人気は何?」と報道陣に真顔で問うルメールだったが、紛れもなく今週も主役だ。先週のローズS(カンタービレ)で重賞騎乗機会3連勝を挙げた名手と、昨年の日本ダービー馬レイデオロのコンビが、美浦のウッドチップコースで最も注目を集めたのは言うまでもない。

 先頭のレッドオーガー(4歳1000万)から5馬身の間隔を置いたゴーフォザサミット(神戸新聞杯に出走)を2馬身追走。直線で最内から余力十分に伸びると、中の後者と併入に持ち込み、外の前者に1馬身先着した。時計は5ハロン69秒4―13秒3。「体は少し重いですが、でも動きはとてもよかった。息が入ったし、フットワークのバランス、反応も良かった」と鞍上は笑顔を見せた。

 同じ休み明けだった昨年の皐月賞(5着)時との比較をルメールが端的に表現した。「去年の初めは、牧場から帰ってきてまだ寝てた。先週、今週と追ってパワーアップした。そして起きた!」。6か月ぶりでも力を出せる状態で、ダービー馬の“目覚め”を予感していた。

 もともと調教映えするタイプではない。過去にも京都記念(騎乗停止で本番はバルジューに乗り替わり)の1週前追いに騎乗した際は「朝(調教)は賞金が出ないから動かない」とジョーク。今回も「この馬は追い切りの時はあまり能力を見せない。Lazy(怠惰)じゃなくて、マイペースで走ってるね。問題ないです」とうなずいた。

 今年の2戦は〈3〉〈4〉着と勝ち星から見放されているが、鞍上の表情に悲観の色はない。「今年に入ってフィジカルもメンタルも大人になり、トップレベルになった」と成長を実感。好調の鞍上に導かれ、再び強い走りを見せる。(石野 静香)

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