【神戸新聞杯】今年のダービー馬・ワグネリアン、代役・藤岡康でV発進!次は主戦・福永と秋の盾取り狙う!

スポーツ報知
藤岡康のエスコートでV始動を決めたワグネリアン(左)。同厩のエタリオウが2着に続いた

◆第66回神戸新聞杯・G2(23日・阪神競馬・芝2400メートル、良)

 ダービー馬が秋初戦をV発進―。菊花賞(10月21日、京都)トライアルの第66回神戸新聞杯・G2は23日、阪神競馬場で行われた。主戦の福永祐一騎手(41)が落馬骨折し、藤岡康太騎手(29)が代打を務めたワグネリアンが快勝。次走は天皇賞・秋(10月28日、東京)で古馬撃破に挑む。2着のエタリオウ、3着メイショウテッコンまで菊花賞への優先出走権が与えられた。

 ダービー馬が堂々、強さを誇示した。中団の外でじっくり脚をためたワグネリアンが、直線で襲いかかった。前半1000メートルが61秒9の遅い流れも関係ない。左右にステッキを持ち替え必死に鼓舞する藤岡康に応えて、グングン加速。粘り込みを図るメイショウテッコンをとらえ、強襲してきた僚馬エタリオウも半馬身差で抑えきった。

 主戦の福永が先週16日の落馬で頭蓋骨骨折し、乗れなくなったアクシデントを、あっさりはねのける快勝。代打を務めた鞍上が、緊張から解き放たれて笑みをこぼした。「ダービー馬ですし、自信を持って乗りました。大事な秋初戦。折り合いに気をつけていたのに行きたがるところを見せてしまい、決してうまくは乗れなかったけど、馬の力に助けてもらいました」

 重圧はあったが、これまでも調教で手綱を執っていた藤岡康だからこそ分かる成長が支えになった。「体がひとまわり大きくなり、精神も肉体も大きく成長していると感じました。最後はダービー馬の根性を見せてもらいました」。自身のJRA通算500勝の節目を大きな、大きな仕事で飾ってひと息ついた。金子真人オーナーは「本当に上手に乗ってくれた。(福永)祐一くんの穴を埋めてくれましたね。ほめておきましたよ」と笑った。

 同世代のライバルを再びねじ伏せて最強を示し、今月6日に発生した北海道胆振(いぶり)東部地震により死んだ母ミスアンコールにも追悼Vをささげた。友道調教師は次のステップを力強く宣言した。「天皇賞に向かいます。東京の2000メートルは一番合ってそう。祐一くんで向かいます」。同一年の日本ダービー&天皇賞・秋制覇となれば史上初。強豪古馬の牙城を崩して、日本の頂を目指す。(宮崎 尚行)

 ◆ワグネリアン 父ディープインパクト、母ミスアンコール(父キングカメハメハ)。栗東・友道康夫厩舎所属の牡3歳。北海道安平町・ノーザンファームの生産。通算7戦5勝。総収得賞金は3億6085万5000円。主な勝ち鞍は日本ダービー・G1(18年)、東京スポーツ杯2歳S・G3(17年)。馬主は金子真人ホールディングス(株)。

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