武豊4000勝へあと3「今週達成できればいい」

スポーツ報知
7歳を迎えて安定感が増したラインスピリット

 JRA4000勝へM3。武豊は先週1勝を加えて大記録が近づいてきたが、栗東では至って冷静だった。「ざわついているみたいだけど、減る数字じゃないから」と、周囲の盛り上がりを気にする様子はない。

 今週は土曜に阪神で10鞍、日曜は中山で6鞍に騎乗する。スプリンターズSではラインスピリットと初コンビ。02年のビリーヴ以来の勝利となれば、49歳6か月16日で同G1の最年長優勝記録(現在の記録は岡部幸雄の49歳1か月14日=97年タイキシャトル)を更新する。シリウスSはミキノトランペットで挑む。アウォーディーで勝った15年、史上初のJRA重賞300勝を決めたG3で今度も節目の勝利を挙げるか。

 来週は凱旋門賞(10月7日、パリロンシャン競馬場)のクリンチャーをはじめ、フランスでG1・3戦に騎乗する。「来週はいないから、今週、達成できればいいね」とユタカ。渡仏前に『4000』に到達するか、注目だ。

 <今週の騎乗馬>

 【29日=阪神】

2Rイベリス     

3Rエイティーンガール

4Rアストルム    

5Rゴータイミング  

7Rメイショウラケーテ

8Rマサハヤスター  

9Rジョウラン    

10Rメイショウカズヒメ

11Rミキノトランペット

12Rアングルティール 

 【30日=中山】

7Rスピリットソウル 

8Rビヨンジオール  

9Rディーブラッド  

10Rスマートシャヒーン

11Rラインスピリット 

12Rネイビーブルー  

<スプリンターズS ラインスピリット「本当に充実」> 7歳を迎えたラインスピリットはスプリンターズSがG1・3度目の挑戦。ここ4走は、すべて重賞で〈5〉〈6〉〈5〉〈5〉着。「ゲートが安定しているし、そんなに負けないもんね。コンスタントに使ってきているけど、今は体重が減らない。本当に充実していると思うよ」と松永昌調教師の色気十分に送り出す。

 初コンビとなる武豊に「癖のある馬じゃない。それにユタカだから、初騎乗でもこなすやろ」と信頼は絶大。気がかりなのは馬場状態。「前走は重馬場で頑張ったけど、やはり割引かなと思う。状態はいいので、少しでもいい馬場で走らせたい」。力を出し切れる条件で、名手の手綱にかけたい思いだ。

 <29日阪神5R新馬戦 ゴータイミング「芝が合いそう」> 29日の阪神5R(芝1800メートル)でデビューするゴータイミングは、母のサラフィナが仏オークスなどG1・3勝したほか、凱旋門賞でも3着に好走した実績馬。2頭のきょうだいがともに勝ち上がり、2つ上の全兄ジェニアルは現在、活躍の場をフランスに移して、武豊とのコンビで条件馬の身ながらG3を制す快挙を成し遂げた。

 今週は栗東・坂路で武豊が騎乗して54秒1―13秒5とまずまずの時計。「まだ幼さが残るけど、徐々に動けるようになってきています。芝が合いそうで、今週のジョッキーの感触は悪くなかったです。初戦としての態勢は整っていると思います」と松永幹調教師。異例の挑戦で注目を集めている兄と同じ鞍上とのコンビでデビュー戦に挑む。

 <シリウスS 相性いいミキノトランペット3連勝だ> 2連勝中の上り馬がシリウスSで重賞に初めて挑む。ミキノトランペットは武豊とのコンビで【2130】と絶好の相性を誇る。前走の白川郷Sでは3馬身差の圧勝で、オープン入りを決めた。「2000メートルは合いそう。重賞で強い相手にどこまでやれるか」とユタカは気を引き締めた。

 開業15年目の大橋調教師は、武豊とのコンビで重賞に挑むのは初めて。「そりゃ記念の勝ち星になれば、うれしいよ。スッと好位に行けるのが長所。ここでも相手なりに走ってくれたらいいね」と期待大。ニホンピロアワーズで12年ジャパンCダートで“砂王”の座を手にしたトレーナーが送り出す新たな刺客で、大記録を後押しする。

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