【天皇賞・秋】ルメールG1年間最多タイ6勝!レイデオロ年内1戦勝てば海外挑戦視野に

スポーツ報知
そつのない騎乗でレイデオロ(左)を優勝に導いたルメール。珍しく何度もガッツポーズを繰り返した

◆第158回天皇賞・秋・G1(10月28日・芝2000メートル、東京競馬場、良)

 第158回天皇賞(秋)・G1は28日、東京競馬場の芝2000メートルでG1馬7頭を含む12頭(ダンビュライトは競走除外)によって争われ、2番人気のレイデオロが好位抜け出しから1馬身1/4差で快勝。昨年の日本ダービー以来、G1・2勝目を飾った。年内は1戦限定の予定で、勝てば海外挑戦を視野に入れる。クリストフ・ルメール騎手(39)は、秋華賞(アーモンドアイ)、菊花賞(フィエールマン)に続く3週連続G1制覇で、JRA・G1年間最多勝記録の6勝に並んだ。

 ゴールした瞬間、右手の握り拳を何度も突き上げる。レイデオロの背中でルメールは雄たけびを上げた。「コンディションが完璧だった。レースも完璧で、ずっといい気持ちでした」。2週前の秋華賞では人さし指を軽く天に向けただけで、先週の菊花賞は2着馬と並んで入線。自身2度目の3週連続G1勝利は、いつも冷静な男の感情を爆発させた。

 「たぶん皆様、僕を見ることに疲れているかもしれませんが(笑い)、僕はいい気持ちです」。3週連続のお立ち台で場内のファンを笑わせた。年間G1・6勝は、昨年のMデムーロなどに並ぶトップタイ。「すごくラッキーです。全部いい馬です。僕の調子もいいですね。競馬ですので悪い時期もありますが、忘れました」。移籍4年目で最高のキャリアを迎えた。

 好調の理由を自身でこう分析する。「自信が上がっています。リラックスして騎乗することができている。スムーズなレースを心がけています。毎回、人気の馬に乗せていただいているので、ミスをしたくない。ミスをしなければ勝つことができます」。その全てをこのレースで集約した。

 以前は不安もあったゲートを五分に出すと、手綱を持ったまま5番手で直線へ。「外からのプレッシャーがなかったし、ずっとスムーズでした」。残り300メートルから満を持して追い出すと、逃げるキセキをかわし、外から迫るサングレーザーを1馬身1/4差抑えてゴール。完璧に立ち回って、2つ目のG1タイトルに導いた。

 「レイデオロで勝ててよかった。天皇賞は日本だけ。特別な競走です」と、9度目で手にした初タイトルを喜んだ。年内の予定はあと1戦のみだが、ジャパンCはアーモンドアイの騎乗がすでに確定。乗り難しい面があるため、引き続き同じ鞍上で臨むには有馬記念(12月23日、中山)しか選択肢がない。それを勝てば来年は海外遠征も視野に入るが、新記録となる年間G1・7勝目へ「まだ大きなレースがあるから、頑張りたい」と意気込んだルメールの快進撃は止まりそうにない。(石野 静香)

 ◆レイデオロ 父キングカメハメハ、母ラドラーダ(父シンボリクリスエス)。美浦・藤沢和雄厩舎所属の牡4歳。北海道安平町・ノーザンファームの生産。通算11戦7勝(うち海外1戦0勝)。総収得賞金は7億6936万700円(うち海外3377万700円)。主な勝ち鞍は日本ダービー・G1(17年)、ホープフルS・G2(16年)、神戸新聞杯・G2(17年)、オールカマー・G2(18年)。馬主は(有)キャロットファーム。

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