【朝日杯FS】紅一点グランアレグリア、直前に落鉄も“はだし”で駆け先着

スポーツ報知
余裕たっぷりに先着したグランアレグリア(右)。右後肢を落鉄していたが、動きは上々

◆朝日杯FS追い切り(12日・美浦トレセン)

 第70回朝日杯フューチュリティS・G1(16日、阪神)の出走馬の追い切りが12日、東西のトレセンで行われた。紅一点のグランアレグリアは美浦・Wコースでの調教前に落鉄のアクシデントがありながら、そのまま“はだし”で駆けて併走馬に先着。手綱を執ったルメールも牝馬Vへ上々の手応えだ。

 アクシデントを乗り越えて、上々の動きを披露した。グランアレグリアは美浦・Wコースでトレクァルティスタ(7歳1600万)を5ハロンから半馬身追走。序盤に鞍上のルメールが手綱を引っ張ってなだめる場面がみられたが、直線では抜群の加速で馬なりのまま2馬身先着。雨でしぶった馬場を苦にすることなく、69秒2―13秒0でフィニッシュした。

 調教を行う直前に右後ろ脚の落鉄が判明。左右のバランスなど不安はあるものの、連絡を受けた藤沢和調教師は“はだし”のままでの追い切りにゴーサインを出した。「完全に(てい鉄を)取っちゃったから問題なかった。動きもよかったし、順調」と説明。ルメールも「待っている時はちょっと気にしていたけど、走りのバランスはよかったし、手前の替え方とかもいい反応。追い切りの後も歩様はスムーズだった」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。

 何とか最終調整をクリアし、牝馬が再び出走可能になった2004年以降では史上初の牝馬による朝日杯FS制覇へ、また一歩近づいた。新馬では阪神JFを制したダノンファンタジーを寄せ付けず、前走のサウジアラビアロイヤルCは牡馬を相手に3馬身半差で快勝。2戦とも手綱を執った主戦は「彼女のポテンシャルは高い。男馬相手でも心配していない」と自信をのぞかせた。トレーナーも「男馬相手で、阪神への輸送のハンデもあるが、いい馬だから」と能力の高さを信頼。まだ底をみせていない紅一点のディープインパクト産駒が、新たな歴史の扉を開ける。(西山 智昭)

競馬

×