【有馬記念】“障害王者”オジュウチョウサン、迫力十分の動きで4馬身先着!

スポーツ報知
オジュウチョウサン(左)はあっという間に併走相手を突き放した

◆有馬記念1週前追い切り(12日・美浦トレセン)

 第63回有馬記念(23日、中山)の1週前追い切りが12日、東西トレセンで行われた。“障害王者”オジュウチョウサンは美浦・Wコースで併走相手を圧倒。武豊を鞍上に迎えるグランプリへ、格下を感じさせない迫力十分の動きを見せた。

 単なる準オープン馬の動きではなかった。ひょっとしたら…の感じさえうかがわせる迫力を、オジュウチョウサンは備えている。

 角馬場で体をほぐして、美浦・Wコースに。5ハロンからユキノエルドール(4歳障害未勝利)を5馬身追いかけた。内に進路を取って、3、4コーナーで差を詰めて迎えた最後の直線。障害時代の主戦の石神が合図を送ると重心をグッと下げて、ダイナミックなフットワークを繰り出した。それは、まさにトップホースをイメージさせる。そして、あっさり4馬身突き放した。

 「試し試しだった前走より状態はいい。目いっぱいにできました。4コーナーでの行きっぷりも反応も良かったし、余力がありましたよ」と石神。「最近の中では一番いいし、(中山)大障害ならぶっちぎりますよ」と言って笑わせた。

 障害の絶対的王者は可能性を求めて7月に平地へ再転向。500万―1000万を連勝すると、暮れのグランプリへ、ファンも後押しして出走となった。本来の仕上げができるということで、7日には障害を飛ぶなど“二刀流”としての調整を進めて、大一番へ着々と準備を整えている。

 「時計の比較では歯が立たないけど、どんな力を出すか計り知れない。あっという結果を出してくれないか、期待しています。想像の上を行ってますから」と和田正調教師は言うと、こう続けた。「あと10日あるし、しっかり仕上げていきたい」。

 武豊を鞍上に迎えて、ドラマチックな結末となっても不思議ではなくなってきた。(春木 宏夫)

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